これが噂の…おぉ！ ページ2
は？？？？え？何が起きたの？
周りを見渡してみる。
白を基調としたシンプルな部屋。
明らかにさっき自分がいた教室ではない。
かと言って、オンボロ寮でも、ハーツラビュル寮でも、サバナクロー寮でも、オクタヴィネル寮でもない｡
本当に見覚えがない。一体どこなんだここは。こわいこわい。
そこで私は思い出す。
今日の朝、後ろの生徒達がしていた会話を。
「お前知ってる？最近変なユニーク魔法が流行ってるらしいぜー。」
「あー、知ってる知ってる｡なんだっけ？なんかしないと出られない部屋？みたいな？」
まさか、と思った。
さっきまで他人事のように聞いていた話が、私の身に起きるわけがない。
てか〇〇しないと出られない部屋とか夢小説かよ。
すごいな捻れた世界は。なんでもありじゃん。
そうだ、これは居眠り中に見ている夢だ｡
そう思って自分の頬を叩く。くそいてぇ。
どうやら現実のようだ。理解が早くて大変よろしい。さすが。
私は、とりあえず部屋の中を詮索しようと足を踏み出した。
ゴッと何かが私の足に当たる。んだこれ。
下を見ると、どうやら眠っているらしいエースとデュースがいた。
寝顔かわいいな2人とも｡キスしたいごめんそれは嘘｡
「う…あれ？デュースとユウじゃん。てかここどこ｡なんか背中痛いし…」
私が蹴ってしまったエースが起き上がる。
起こしちゃったかなごめんね。
目を擦ったのでハートのスートが少し掠れる。
「僕は授業を受けていたはず…一体何が起きたんだ。」
デュースもエースに続くように体を起こす。
「はー？まじで何ここ、なんもねーじゃん。」
ぐるりと部屋を見渡すエースは私に背を向ける。
そこで私は、エースの背中に張り紙がついていることに気づいた。
「エース？なんか背中に貼ってあるけど？」
「え…まじじゃん！なにこれ？」
エースは背中の紙を破らないように慎重に剥がす。
すごい器用だな。私だったらビリビリに破いてるよ。
「ん？何か書いてあるぞ。」
デュースがこんなことに気がつく。
私も紙をのぞいてみる。
その紙には、こんなことが書いてあった。
「「「抱き合わないと出られない部屋？」」」
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作者名：ありおりはべり。 | 作成日時：2023年9月16日 20時
