授業中に寝るのが悪い。 ページ1
「お前知ってる？最近変なユニーク魔法が流行ってるらしいぜー。」
「あー、知ってる知ってる。なんだっけ？なんかしないと出られない部屋？みたいな？」
「それそれ！俺たちも気をつけないとなー。」
「噂によると割と簡単に出られるらしいぞ。」
「へー。どんな内容なんだろうなー。」
「少しは自分で考えたら？そういうとこだぞお前。」
「えぇ…」
授業を受けるため席に着くと、後ろからこんな会話が聞こえてくる。
ふーん。そんな話があるんだ。
私は頬杖をつく。
肩の上に乗ったグリムが暖かい。てかグリムもう寝てない？
これのせいで私は眠ってしまうのだと思う。
あと人のせいにするの良くないと思う。
そんなことを思っていると、両隣にエーデュースが座ってきた。
「ユウ、次ってトレイン先生の授業？」
エースが私に尋ねる。
「そうだよ。私今から寝そうなんだけど｡」
私は2人に向かってこう言う。
「あはは、早過ぎるだろ｡」
「授業中に眠るのは良くないぞ！」
エースには笑われ、デュースには小言を言われてしまった。
デュースもいっつも寝てるじゃん！
優等生(笑)くんは人のこと言えないと思いまーす｡
教室の前の方を見ると、トレイン先生が扉から入ってくるのが見える。
「お、そろそろ始まるな。」
エースは椅子にもたれかかり伸びをする。
「2人とも寝るなよ。」
私はデュースの言葉にはいはいとうなづき、机の上に教科書を出した。
しばらくするうちに、トレイン先生の授業が始まった。
先生は黒板に文字を書き、それを私たちに説明する。
そして時々ルチウスが鳴く。
ふんふん、なるほどよくわからん。
隣をチラリと見てみると、エースもデュースも頭にハテナが浮かんでいるようだ。馬鹿め。
言ってることはわからないけど、とりあえず先生の声に耳を傾ける。
ルチウスの鳴き声とトレイン先生の落ち着く声が、なんだか妙に私を眠くさせる。
少しずつ視界が狭まってきた。
意識がぼんやりとしていく｡目もうつろうつろしている。
あ、やばい。寝そう。
私の頭がガクンと落ちた。
そのまま眠ってしまったようだ。
♢♢♢
目が覚めたら、知らない部屋にいた｡
なんてこった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ありおりはべり。 | 作成日時：2023年9月16日 20時
