恋色 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:824 hit

○4○ ページ4

○Reo side○

『あ゛〜わかっんね〜…』

蒸し暑い教室と暑苦しい先生

デブだから余計に暑苦しく見えんだよ

先生｢佐野、しっかり解け｣

『うっせえなぁ…』

俺の席1番窓際だし

外で練習してるサッカー部を覗くけど

みんなあつそー。

また問題集に目を落として
解こうとしていたら

１個気になるワードが耳に入ってきて

｢そういえばさ、夏休み終わったら転校生来るらしいよ…？｣

｢えっ、ほんとに？男？女？｣

｢男だよ！お･と･こ！かなりのイケメンらしいしね〜｣

｢…やばいじゃん、名前は？名前！｣

｢" 白濱亜嵐 " って言うらしいよ｣

……しらはま、あらん

イケメンってことは
人気間違いなしじゃん。

初日からキャーキャーうるせぇんだろうな

先生｢じゃあ今日の補講は終了〜｣

先生の合図とともに一斉に帰るみんな。

『あ〜やっと終わった』

｢れーおーくん｣

聞き覚えのある声と抑揚

『……何でいんの？』

A｢…保健室で先生と話してて玲於くんが終わるの待ってた｣

『…その…髪の毛で？笑』

A｢…夏休みだから許してもらえた｣

『…ビビるわマジで…』

そっと胸をなで下ろして
Aと階段を降りる

昨日は髪の毛下ろしてたけど

今日は丁寧にお団子でまとめてて

似合ってるな〜とか思いつつ

さっきの転校生のこと言ってみた

『夏休み終わったら転校生来るらしーよ』

A｢保健室の先生にちらっと聞いたよ
もうここら辺にいて遊びまくってるんだって

やんきーなのかな｣

『じゃあ見たことあるかもね〜

…別にやんきーでも俺がいるじゃん』

A｢…ふふっ、ありがとー笑｣

普段俺が言わないような事を言ってみたけど

自分でも変な感じがした

A｢……っあ｣

『…？どうした？』

急に立ち止まって
動かない体、目線

その先にいたのは

『…あれ、もしかして』

A｢…転校生、だよね絶対｣

見たことの無い顔

ソイツは制服だけど
隣にいる女はギャルっぽい服装で。

多分彼女かなんかかな〜とか思った

…めっちゃイケメンだし

A｢…帰ろう…？｣

シャツの裾をぎゅって握ってきて

ちょっとビビってるA

『うん』

1歩ずつ歩く度に

近づく転校生との距離

相手がこっちに気づいて
ニヤッとした顔をする

それを無視して

Aの手を握って颯爽と通り過ぎた