転生 ページ37
「そら早くしてよー!」
3年後の10月。
無事チャンネル登録者300万人を突破したアバンティーズは、テレビや雑誌の取材も増え、日々忙しく生活していた。
「ごめんて、お待たせ。」
玄関で、半ギレのリクヲと、半分寝ているかのようなツリメに手を合わせる。
お祝いの花を後部座席に積み、全員で熱唱しながら病院へ向かう。
後続車にクラクションを鳴らされたが、何だか懐かしい気がした。
病院に着き、お目当ての部屋の扉を開ける。
「あー!みんな!」
「おー!あーずー!おめでとう!」
中に居たのはベッドに半分起き上がっている小豆と、傍に立っているぶんけい。
「あれ、旦那さんは?」
「買い出し!」
3人は、一昨日に2卵生の双子を出産した小豆のお祝いとお見舞いにきたのだ。
「あ、あーずーこの袋なに?」
「みっくんそれお菓子じゃないよ、ベビー用品。あやなんさんがくれたの。」
「え、量えぐw」
紙袋いっぱいに詰まったベビー用品を、リクヲが虫を観察するように眺める。
「どれも状態がいいね。」
「そー。めっちゃ丁寧に扱ってたみたいで、新品同様のもあるの。」
「ねね!俺の弟と妹はどこにいるの?」
そらが待ちきれない、と言うように勢い込んで尋ねた。
「ああ、はいはいw」
「あーずー、僕行くよ。」
「いいのいいの、私も見たいし。ぶんちゃんも着いてきて。」
「あ、辛かったらいいんだ、ごめん」
「何言ってんの今更wはい!みんな着いてきて!」
元気に歩き出した小豆に着いて、男4人がぞろぞろと廊下を進む。
「ここ!」
小豆は透明なガラス窓の前で立ち止まり、目の前を示してみせた。
「「「わぁぁぁぁ」」」
「何度見ても可愛ええなぁ…」
2人の男女の赤ちゃんが、くりくりの目でこちらを見ている。
「…なんか、男の子がめっちゃえいちゃんに見える…」
手を盛んにクロスさせている男の子を見てそらが呟いた。
「確かに…w」
小豆も賛同する。
そらが人差し指をガラス越しに振ると、男の子は盛んに指を追いかける。
興奮したツリメが同じように指を振ったが、全く反応しない。
「あれー」
リクヲも挑戦するが、やっぱり反応しなかった。
「そらの指になんか赤ちゃんが好きなものでも付いてるんじゃないの?w」
「赤ちゃんが好きなものー?」
そらは苦笑して言う。
「えいちゃんの指輪しか付いてねぇよ」
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消しカス(プロフ) - 譲さん» はじめまして!返事が遅くなってしまいすみません。読んで下さりありがとうございました!続編もいつか書きたいと思います! (2019年4月28日 22時) (レス) id: 74ee760c11 (このIDを非表示/違反報告)
消しカス(プロフ) - あゆさん» はじめまして!こちらこそ、読んで下さりありがとうございました!続編もいつか書きたいと思います! (2019年4月28日 22時) (レス) id: 74ee760c11 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - お疲れ様でした!いつも通知を設定して待ってました!めちゃめちゃいい話で泣きそうになりました。本当にこの話を書いてくれてありがとうごさいます!良かったら続編も書いてくれないかなぁと期待してます笑 (2019年4月28日 18時) (レス) id: 536d9fa68d (このIDを非表示/違反報告)
譲 - 素敵なお話を書いてくれてありがとうございます!ラストがドラマみたいで凄くドキドキしました!本当にこんな世界があったらいいのにとすら思います!是非アバと赤ちゃん2人の続き的なものも読んでみたいです! (2019年4月24日 16時) (レス) id: 36992da896 (このIDを非表示/違反報告)
消しカス(プロフ) - たまねぎさん» はじめまして!読んで下さりありがとうございました!何度も読んでいただき、嬉しいです!コメントありがとうございました! (2019年4月23日 20時) (レス) id: 74ee760c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:消しカス | 作成日時:2019年3月30日 21時