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それからのえいちゃんは暇さえあればタブレットを眺めていた。




「みんなどう?」


「んー…」



私の写真の隣に、エイジの写真が並べられている。
小さなテーブルの上に柿ピーと、りんごジュースがぎゅうぎゅうに並べられていた。

皆は実家に帰ったのか、どこにもいなかった。


「あっ、部屋模様替えしてある。」


「そ、サイパン行く前にやったの。」


「へぇー」


「えいちゃん、たまに私の写真に話しかけてくれてたでしょ?あれすっごい嬉しかったんだよ。」


「え、お前そんなの見てたの?」


ビックリして顔を上げるエイジ。


「映るんだもん。嬉しくて泣いたこともある。」


「なにそれw涙腺やば」


照れたのか、直ぐに視線をタブレットに戻してしまった。
そんなエイジをニヤニヤしながら眺めてから、私はキッチンに向かう。



「えいちゃん、今夜はね、カレー作ったの!」


「カレー?」


「そ、カレー。好きでしょ?」


「カレー…か…」


「え、嫌いだった?」



ううん、と首を振ると、エイジは少し悲しそうな顔で、でも笑いながら教えてくれた。



「Aが死んだ日な、そらがAの手料理が食べたいって、カレー作ろうとしてたんだよ。みっくんとりっくんも呼んで、3人で頑張ってた。」



「カレー…出来たの…?」



聞くのが少し怖かった。答えが分かっている気もした。

エイジが首を横に振った。

止まったはずの涙が、目に溜まる。



「野菜を切っている時に病院から電話が来たんだ。帰ってきた時は、誰もカレーのことなんて考えてなかった。」



涙が零れそうになったが、唇を噛んで耐える。


お皿にご飯をたっぷりよそい、その上にカレールーをこれでもかとかけた。


玉ねぎと、ジャガイモと、にんじんの入ったルー。





「えいちゃん!」




タブレットをそばに置いたまま、パソコンをいじるエイジの前にカレーをドンとおく。




「カレーだよ!あの時、そら達が作ろうとしてた、みんなが食べられなかったカレーだよ!」



泣きながらも笑顔でエイジに言う。



彼は、にっと笑って言った。






「ずいぶん待たせるじゃん。待ちくたびれたよ。」

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消しカス(プロフ) - 譲さん» はじめまして!返事が遅くなってしまいすみません。読んで下さりありがとうございました!続編もいつか書きたいと思います! (2019年4月28日 22時) (レス) id: 74ee760c11 (このIDを非表示/違反報告)
消しカス(プロフ) - あゆさん» はじめまして!こちらこそ、読んで下さりありがとうございました!続編もいつか書きたいと思います! (2019年4月28日 22時) (レス) id: 74ee760c11 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - お疲れ様でした!いつも通知を設定して待ってました!めちゃめちゃいい話で泣きそうになりました。本当にこの話を書いてくれてありがとうごさいます!良かったら続編も書いてくれないかなぁと期待してます笑 (2019年4月28日 18時) (レス) id: 536d9fa68d (このIDを非表示/違反報告)
- 素敵なお話を書いてくれてありがとうございます!ラストがドラマみたいで凄くドキドキしました!本当にこんな世界があったらいいのにとすら思います!是非アバと赤ちゃん2人の続き的なものも読んでみたいです! (2019年4月24日 16時) (レス) id: 36992da896 (このIDを非表示/違反報告)
消しカス(プロフ) - たまねぎさん» はじめまして!読んで下さりありがとうございました!何度も読んでいただき、嬉しいです!コメントありがとうございました! (2019年4月23日 20時) (レス) id: 74ee760c11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:消しカス | 作成日時:2019年3月30日 21時

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