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なんで、この人が、私の名前を知ってるんだろ。
少しだけ、ほんの少しだけだけれど、顔を上げて、目を開いたら、彼女は言った。
サヤカ「同じクラス。覚えてなかったの？もしかして。」
彼女は、まるで恋敵をみるようだった。
勘違い、してるのかな。
私が、二宮和也って人に恋してる、とか？
ナイナイそんなの。
まず喋ったこともないんだから。
「あの、…」
私、二宮くん、好きなわけじゃないですから。
そう言おうとした私は固まる。
…は、何いってんの、ばかにしてんの？
そういうこの人の声が頭に響いたからである。
「あの…えーと、」
でも、あの、を回収できなくて。
「お、お名前はー…」
サヤカ「サヤカ。よろしく、」
サヤカさんは、よろしく、と言ってくれた。
見た目より、優しいひとみたいで。
ただ、二宮くんの手帳を盗んだ(盗んでないけど)私に怒っているだけ、
もしくは、妬いているだけみたいだった。
猫みたいに、まるいんだけど、少し端が上がった目。
しゅんと細い顎。
誰もが憧れそうな鼻。
でも、強気そうに見えて、意外と、優しい人間なのかもしれない。
サヤカ「…とか、言うつもり無いから。」
…前言撤回。
やっぱり、酔いしれてる。
自信たっぷり。
そんな人達の、
いや、どんな人達でも、
他人の方程式に、足を踏み入れてはならない。
私はこれを頼りに生きてきたというのに、何忘れそうになってんのよ。
しっかりしなさい。有野、A。
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作者名：まっかーさー | 作成日時：2018年1月30日 19時
