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「すまない、助かった。
今度は普通に遊びに来る」

「びっくりしたぜ〜。気ぃつけて帰れよ」

「またのお越しをお待ちしております、
二人ともお気をつけて」


しばらく外の様子を窺った後、

Aは店員に詫びを入れ
入ってきたときと同じように俺の手を引き
店を出た。


「さて、どうする?相良。送っていこうか?」

「バカにすんな。一人で帰れる」



バイクに跨り、いたずらっぽく笑う顔。


頭の中で誰かが囁く。


このまま、
もう会えなくなっちまうのかもしれねぇんだぞ。

お前は、本当にそれでいいのか?



このままここで別れちまって
お前は平気なのかよ。


らしくねぇ。
こんなこと、まじで俺らしくねぇ。


「なぁ、A」


名前を呼んだのは、これが初めてだった。


「ん?どうした?」


こちらを見つめて微笑んだその顔は
無邪気だけど色っぽい。


「お前が暇なときでいい。

気が向いたときでいいから、
開久まで来てくれねぇか?」


我ながら、なんて腰の低い誘い方。


「そうか、やっぱり開久の生徒だったか」


灰色の制服を指さし、Aが言う。


「野暮なことを聞くが…それはデートのお誘いか?」


察しが良すぎて声も出ねぇ。


この俺が女相手にこんなこと言うなんて
一生に一度あるかないかぐれぇだ。


「わかった。約束しよう。待ち合わせ場所は開久だ」

「…まじかよ…本当にいいのか…?」

「あ?言い出しっぺはそっちだろう?」



不思議そうに眉を寄せそう言った後


「またな、相良くん♡」


Aは颯爽と愛車のバイクで走り去って行った。

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設定タグ:今日から俺は , 相良猛 , 片桐智司   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:櫻子 | 作成日時:2020年6月21日 23時

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