トントンの風邪�� ページ4
「1人じゃ食べられんだろう？」
スプーンで1口分をすくい、ふーふーと息を吹きかけて冷ましたものを俺に向けてくる。
先程まで微笑んでいたが、
今はどちらかと言うとﾆﾔﾆﾔしている。
あーんしろってか……
確かに1人で食べると上手くお椀が持てず
こぼしてしまいそうだが、さすがにあーんは
恥ずかしい。
「い、いや………自分で食べれるで」
顔を背けながら拒否する。
無論、動揺しすぎて顔は真っ赤に染まっている。………きっと熱のせいだろう。
「俺が作ったものが食べれないのか？」
頰杖を付きながら首をかしげる。
聞き方もずるいし、行動もあざとい。
まるで我が儘な子供みたいだ。
「そーいう訳じゃないねんけど……」
何となくあーんが恥ずかしいとは言いづらく、言葉を濁す。
でも食べなければ勿体ない。
腹も限界が近付いていた。
諦めろ、俺。
素直にグルッペンに食べさせてもらう。
…………ﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞ
無言でひたすら噛み続ける。
「どうだ？」
多少は不安があったのか、控えめに聞いてくる。
「……美味しい」
不覚にも認めざるを得なかった。
本当にびっくりするほど美味しかったのだ。
こんなに料理上手いなら、
普段ももっとやればいいんに。
嫁向きだな、と、とんでもないことを思う。
「俺も、食べていいか？」
少し目を細めて、ﾆﾔﾘと笑う。
自分が作ったのだから、自分で食べても問題は無い。ただ、いちいち聞いてきたあたり嫌な予感がする。
「……？ああ、別に……」
そう、言いかけた時だった。
グルッペンの顔が近づき、
ﾁｭｯという小さなリップ音を立てて唇が触れた。
一瞬、何をされたか分からなかった。
「……っん、ふ…ｯあ…」
舌が入りそうになった所で、
やっと気がついた。
_____キスをされた。グルッペンに。
「……っちょ、まっ……ん」
喋る隙も、抵抗する間もなく、
何度も唇を塞がれる。
「………ふっ」
やっと息が出来るようになったところで、頭は大混乱だった。口の中に広がる熱。グルッペンと一つになりそうな感覚。
「………ｯあほ！！！！」
最後に俺は大声でグルッペンに言った。
濃厚すぎるキスで力は抜け、大声も出せなかった。
「____確かに、甘くて美味しいな」
余裕そうな笑みでこちらを見つめるグルッペン。
こんなにも強引で理不尽で
でも格好良くて。
そんな此奴に、
俺はこれからも振り回されるのだろう。
…それがちょっと嬉しいとか、
絶対言ってやらんけど。
続く
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ぴく(プロフ) - 名前を、そのまま入れると検索で出てきてしまいます。伏字にすることをおすすめしすよ (2021年9月18日 23時) (
レス) id: 6a7ee32d3f (このIDを非表示/違反報告)
あーくん - オリジナルフラグは外して下さいね〜 (2019年4月2日 22時) (レス) id: a4d059cdc5 (このIDを非表示/違反報告)
征我@オリフラ外し隊(プロフ) - 実在する人物を扱っているので、オリジナルフラグを外してください (2018年9月9日 13時) (レス) id: a30172f436 (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - オリジナルフラグ外して下さいね。 (2018年8月8日 11時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かじ。 | 作成日時：2017年10月23日 8時
