トントンの風邪�� ページ2
「っえ、な……グルッペン！？」
何故だ。俺が風邪なことをしらないはずの此奴が画面の中で怪訝そうに見上げている。
犯人は彼奴しかいない。
すばやくスマホを手に取ると、
『ごめ〜ん、言っちゃったねん☆』
と、普段使わないくせに☆マークまでつけて
ウザさたっぷりの大先生からLINEがきていた。
「ｺﾛｽ………」
小声で呟き、スマホを投げる。
完全に八つ当たりだが。
『オイ。開けろトントン』
今にも扉をぶち壊しそうな風貌なので、
とりあえず玄関に出ることにした。
ｶﾞﾁｬ
「……はい」
風邪がうつらないようにマスクをし、
ドアの隙間からそっと覗いた。
「顔色が悪いな。熱は何度ある」
こちらの気なんて知らず、何でもないような顔をして中に入ろうとしてくる。
このままではグルッペンにまで
風邪をうつしてしまう。
「か、帰ってもらえませんかねえ……」
小さくそう呟くと、目の前の彼は眉を上げる。
「ほう？病人を放って帰れと？」
試すような表情で聞いてくる。
こいつは、こういう所がずるい。
いつも手のひらで転がされて、
こっちの思い通りになんて動きやしない。
「……うつってしまうやろ」
ﾎﾞｿﾘと本音を漏らす。
それを聞き逃さなかったのか、グルッペンは余裕そうな表情で微笑んだ。
「お前の風邪なら歓迎するゾ」
ふざけているのか、何なのか。
こいつは少し、嬉しそうにも見えた。
行動ひとつひとつに胸が高鳴る。
乙女じゃないし、自分でもどうかしていると思う。
だが、……こいつが格好良いのが悪い。
「病人は寝てた方がいいんじゃないのか」
ずっと立ちっぱなしの俺を心配したのか、
不安そうに聞いてくる。
「ああ、そうや………なっ！？」
最後まで言おうとしたところで、
体のバランスが崩れた。
思っていたより、熱は酷いようだ。
地面に倒れそうになった俺を、
グルッペンが受け止めてくれた。
「………っと。大丈夫か」
冷静な顔でもって体を支えてくる。
なんでこいつはこんなに余裕そうなんだよ…
ここまで密着すると、胸の鼓動が聞こえてしまいそうで焦る。
こいつの、
暖かな体温
ﾄｸﾄｸと鳴る鼓動
大きくたくましい胸
感じたくないのに、伝わってくる。
これ以上は心臓がなくなりそうだ。
「……ｯあ、すまん……」
力が入らない体で、どうにか離れようとする。
だがグルッペンは離してくれなかった。
「どうせ1人では歩けないだろ。
……ベッドまで連れて行ってやろう」
すると、ふわっと体が浮いた。
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ぴく(プロフ) - 名前を、そのまま入れると検索で出てきてしまいます。伏字にすることをおすすめしすよ (2021年9月18日 23時) (
レス) id: 6a7ee32d3f (このIDを非表示/違反報告)
あーくん - オリジナルフラグは外して下さいね〜 (2019年4月2日 22時) (レス) id: a4d059cdc5 (このIDを非表示/違反報告)
征我@オリフラ外し隊(プロフ) - 実在する人物を扱っているので、オリジナルフラグを外してください (2018年9月9日 13時) (レス) id: a30172f436 (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - オリジナルフラグ外して下さいね。 (2018年8月8日 11時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かじ。 | 作成日時：2017年10月23日 8時
