はじめての涙 ページ48
『お、美味しい。ミツバさん、これ隠し味何ですか?』
ミ「少しのレモン汁よ」
『こんな美味しいポトフ初めて食べた』
優しい味で、少し体がだるくても食べれてしまう美味しさに感動する
沖「姉さんが作ったんだから当たり前だろ」
『…おっしゃる通りですね』
どこか自慢げにボヤく沖田。やはりお姉さん命だこの人。
ミ「Aちゃんはお料理は得意?」
『得意かどうかは分からないです。でも毎日作らなきゃいけない環境にいるので少しづつは上達してる…と信じたいですね』
ミ「そういえばご家族がいないって…一人暮らしなの?」
『いえ、両親亡くなったんです』
ミ「まぁ、ごめんなさい私ったら考えもせずに聞いてしまって…」
『そんな!大丈夫です大丈夫です!
別に私一人でもやっていけるし、寂しくないし、全く問題ないんです!』
申し訳なさそうにシュンとするミツバさんにこっちが申し訳なくなる。
一人暮らし設定にしておけば良かった
ミ「Aちゃん。他人を頼る事も大切なのよ。あなた、一人で色々と抱え込んでいないかしら?」
『…え?』
ミ「今もそうだけど、総ちゃんに背負われてる時クマがあったわ。なんとなくだけど伝わってくるの。何か大きな悩みがあっても一人で解決しようとしているわ」
『…』
ミ「両親がいない環境で暮らす辛さは私は知ってる。もし力になれる事があったら遠慮なく言って。
もし寂しかったらここへきてご飯を、一緒に食べましょう。もし辛い事があったらここへ不満を漏らしに来てもいいの。
私、Aちゃんとは初めて会うけど、どうしてかお節介を焼きたくなってしまうの。鬱陶しいかもしれないけど…でも力になりたいわ」
穏やかな表情を浮かべながらそう言うミツバさんの言葉に嘘は感じなかった。
同情とかではなく、純粋に私を心配してくれている
『ありがとうござ……あれ』
気づけば頰が濡れていてた。
次々と膝に落ちてくる水に、私は驚く
なんで私は泣いてるんだろう
沖「お前……」
『やだ、なんで泣いてるんだろ、あははごめんなさい見っともないところを』
ミ「涙が出るということは、それだけ何かを我慢していた証拠なの。
よく頑張ったわね、Aちゃん」
ハンカチを差し出して、優しく私の頭を撫でてくれるミツバさん
久しぶりに人の温もりを感じて、さらに涙が止まらなくなってしまった
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愛美(プロフ) - カルピン☆☆さん» ありがとうございます!!更新頑張ります (2018年8月6日 14時) (レス) id: a19c0604ca (このIDを非表示/違反報告)
カルピン☆☆(プロフ) - この作品好きです!!更新楽しみにしてます! (2018年7月25日 14時) (レス) id: cd957b2a21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛美 | 作成日時:2018年7月18日 22時