ずぶ濡れ ページ46
沖田side
近「よし、終わり!片付けにするぞー」
その言葉に一斉に片付け始める部員。
外は大雨で、道場の中にもその大きな音は響いていた。
雷の音も微かに聞こえ、先程餌をやった子猫の事が気になる。
まだ、小さくて遠くへ歩いてはいけない。
屋根がある場所で雨宿りできていればいいが
そう考えながら部活の終わりの挨拶を終え、近藤さん達と道場を出る。
土「こりゃすげぇ雨だな」
山「傘持ってきて正解ですね」
先程の猫がいた場所に近づいていく。猫の姿は見当たらないが、草の陰から足のようなものが出ていた
近「お、おいあれなんだ?」
山「だ、誰か倒れてません???」
サスペンスドラマであるような発見の仕方をした俺たちは恐る恐る近づいていく。
しかしそこにいたのは、死体ではなく木に身体を預けて目を瞑っている天野Aだった
近「ちょっとAちゃん!?なんでそんなところで寝てるの!?」
制服の胸元からあの猫が顔を出している。
もしかしたらこいつは雨から守ってたのか?
沖「おいバカ女。起きろ」
どれくらい雨に打たれていたのか、シャワーを浴びたくらいにずぶ濡れだ。
それに顔が熱い
山「猫を守ってたんでしょうね。どうしましょうか、この時間保健室も空いてませんよ」
近「うわっ、これやばくない?急いで暖めてベッドに寝かせねぇと」
沖「……うちに連れて帰りやす」
土「…マジで言ってんの?」
沖「今日は姉さんが車で迎えに来る。こいつの家知らねぇし、早くあったけぇ場所に連れてった方がいいでしょ」
猫に免じて、助けてやる
とりあえず俺とこの女のカバンを土方に投げつけ、猫は近藤さんに渡して俺はグッタリしたバカ女を背中に背負った
ミ「!まぁ、どうしたのその子!?」
校門のそばに停めた車の窓から俺たちを見て驚く姉さん。
沖「こいつ酷い熱なんでさァ。家わかんねぇし、家族いねぇから家に連れてっていいですかィ姉さん」
ミ「もちろんよ!!」
後部座席に寝かせたが、一向に起きる気配はない。
近藤さんから猫も受け取り、俺は3人と別れを告げて車に乗り込んだ
姉さんはどこか嬉しそうに俺を見ながら運転しているが、誤解があってはいけないのでとりあえず説明だけしておこう
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愛美(プロフ) - カルピン☆☆さん» ありがとうございます!!更新頑張ります (2018年8月6日 14時) (レス) id: a19c0604ca (このIDを非表示/違反報告)
カルピン☆☆(プロフ) - この作品好きです!!更新楽しみにしてます! (2018年7月25日 14時) (レス) id: cd957b2a21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛美 | 作成日時:2018年7月18日 22時