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「誰かっ！助けて！！誰かー！！」
「おーい！誰かっ！！」
何人かが階段に近付いて助けを叫ぶ。
「むーだーだーよーっ！！」
だがそれは先生の大きな声に止められた。
「皆自分のことだけでそれどころじゃない。」
当然だ。
「誰も助けになんてこない。」
命の危険を感じて形振り構わず一目散に逃げ出す。それは生きる者の生存本能なのだから。
「さあさ！皆教室に戻ろうか。」
パンパンと手を叩いた先生は呆然と先生を見つめる生徒達に教室に戻るように言う。
「また爆発しないうちに。」
まだ残っている爆弾で脅しをかけて。
先生は黒板にこの階の校内地図を貼ると爆破して瓦礫に埋もれ、通れなくなった階段に赤いチョークでバツ印を書いた。
教室と美術室とトイレにしか行けないこと。
完全に退路を絶たれたこと。
学校には至る所に爆弾が仕掛けてあること。
もちろんそれは教室にもあること。
先生は渋々と教室に戻った生徒達に今の状況を淡々と必要最低限で説明した。
冗談だよね？と状況を理解出来ず呟いた生徒にリアルだ、と現実を叩きつける。
そして席に着くように指示をした。
「おおー、走ってる走ってる！もう二、三個爆破しないと緊張感出ないかと思ったけど結構皆必死に逃げてくれてるねー。」
席に着いた生徒達に背を向けて窓から外を覗く先生は感心したように言う。
そんな先生を横目にほとんどの生徒が助けを呼ぼうとケータイを取り出していじっているのを観察していればそんなの計算済みだとでも言うように外を眺めたまま先生は大声を出す。
「はい！ケータイストップ！」
その声に一人の生徒以外は手を止めて顔を上げ、先生の方を見る。
「これから皆の携帯電話と鞄を回収するから。」
そう言って教卓から白い大きな袋を二つ取り出した先生はケータイと鞄を回収するために袋を広げて一人の生徒に目をつけるとその生徒に近付く。
「もし、余計なことをしたら･･･、バーンっ！！」
「うわあぁっ！！」
その目をつけた、先生の言う事を聞かずにケータイをいじっていた生徒の肩を叩いて大声で驚かした。
「それが嫌ならこの中に全部入れろ。」
ケータイをいじっていた西崎 颯真は怯えて素直にケータイを手放し、先生が持つ袋の中に入れた。
「はい、素直でよろしい。」
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みどら(プロフ) - この作品すごく好きですよ！頑張ってください！ (2019年3月8日 2時) (
レス) id: e4298f3c08 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2019年2月22日 5時
