3年A組ー傷だらけの悪魔ー (ページ9)

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激しい音と共に建物が揺れて、私は条件反射で机にしがみついて身体を伏せた。

『何っ･･･？』

揺れがおさまってから顔を上げれば私と同じく机に伏せてる子もいれば床に丸まっている子、倒れている子もいた。

「なんだよ･･･っ、何が起きたんだよ！」

再度先生が腕に着けている腕時計みたいなものをいじるとピピッと機械音が教室に響く。

「ロックを解除した。廊下に出られるよ。」

そう言って腕をドアの方に上げれば放心状態にいたクラスメイト達は皆我に返ったようにバタバタとドアに向かい廊下に出た。

「A！」

『海斗･･･、』

今の状況をどこか他人事のように受け止め動けずにいると海斗が私の席まで来て腕を引いてくれる。

「早く廊下に出よう。ほら、立って。」

小さい頃からずっとそうだ。

「どうした。お前達は行かないのか？」

先生はいつまでも自分の席に座って動こうとしない私とそんな私を連れ出そうとする海斗を見つけるとそう言った。

『･･･“ 廊下 ”に出られる。
それじゃあ･･････、“ 外 ”にも出れますか？』

「･･･。」

先生は答えない。

「A？何言って･･･、」

訳がわからないという顔をした海斗と一度目を合わせるが私は何も答えることなくこっちに歩いて来る先生に目を移した。

「っ！Aに近寄んな！」

それに気付いた海斗は警戒しているのかイスから立ち上がった私の肩に腕を回して後ろに隠す。

「大事にされてるなぁ？A？」

『･･･、』

「答えは自分の目で確かめるといい。」

「行くぞA！」

私は海斗に腕を引かれて廊下に出た。

廊下は惨状だった。

「何これ･･･、」

さくらちゃんがそうぼやく。

学校の外に出るために通らなきゃいけない階段は瓦礫の山で塞がっていて千切れた電線が垂れている。

バチバチと火花を立てれば複数の生徒が悲鳴を上げて、階段から後ずさる。

「どうなってんの･･･っ！？」

「爆弾だよ。」

その言葉に階段に釘付けになっていた皆は一斉に声が聞こえた後ろに振り返った。

そこには優美に机の上に立つ柊先生がいる。

「どう？これでわかってもらえた？」