3年A組ー傷だらけの悪魔ー (ページ8)

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教室が静かになったのは一瞬。先生の発言を冗談だと受け取った生徒達は皆笑いだした。

「ぶっきー滑っちゃったねー！」

クラスの人気者の宇佐美香帆がそう言った。

「卒業式前だから、浮かれちゃったんだよね？いいよいいよ！そういうぶっきー嫌いじゃないよ？」

それに続いてクラスの中でも発言力の強い涼音ちゃんがそう言えば冷やかしで教室が騒がしくなる。

「ねえもしかしてさぁー、卒業に関わる重要なことってこれ？このためだけに全員出席するよう呼びかけたの？」

唯月が身を乗り出して先生にそう聞いた。

「そうだよ。卒業する前に、皆と一緒に是非解決しておきたいことがあって。」

けどそんな茶番に素直に付き合う彼らではない。

「んだよ！
んなことなら家で寝ときゃーよかったっ！」

石倉がそう言えば隼人と須永くんもそれに続く。

「アホらしい。帰るぞ。」

「さよーならーっ！」

隼人は教室の後ろのドアから廊下に出ようとしたがそのドアは開かない。出ることは叶わなかった。

「扉は開かないよ。特殊な鍵をかけたから。」

「さっきから訳わかんねぇ事言いやがって。」

柊先生のその言葉を聞いて流石に苛ついたのか隼人は持っていたカバンを投げ捨てた。

「や、ちょっと！」

先生の元まで歩いていく隼人にさくらちゃんが声をかけて止めるがそんなの聞くわけがない。

隼人は柊先生に掴みかかった。

「さっさとドア開けろっ！！」

ダンッ！！

「ぐっ･･･！」

『え、』

しかし先生はそんな隼人の腕を掴んで教卓の上に押し倒して安易に拘束する。

「こんな物騒なもの持ってきちゃ駄目だろ？」

そして隼人のブレザーのポケットからいつも持ち歩いているナイフを取り出す。

「没収だ。」

そこからはあっという間だった。

隼人を助けようと先生に石倉くんと須永くんと中尾くんが奇襲を仕掛けるが敵わず、隼人にナイフを向けた先生を見て生徒は悲鳴をあげた。

「うーん･･･、どうやらまだ、状況を飲み込めていないようだなぁ･･･。よし、ならこれでどうだ。」

困ったようにそう言った先生は腕に着けた何かを操作すると突如激しい轟音と衝撃が私たちを襲った。