3年A組の、闇へようこそ 5幕

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( A side )





真夏の明るい日差しが突き刺さるこの場所は、先生が眠る場所。

隼人と2人の久しぶりのお出かけに、私は敢えてここを選んだ。

先生の前にしゃがんで手を合わせる。

目を閉じれば思い出すのはあの10日間。






先生？今見てますか？……まぁ、どうせ全部見てるんでしょ？

でもわざわざ言葉にしてあげるのは私が優しいからです。


あれから数年が経って、私は後3人の子供に恵まれて、計6人の子供が出来ました。

すごく賑やかな毎日を送っていて、将来の大学の資金とか色々怖いです。


でも隼人は介護施設を建ててそこで若いけど頼りになる院長として働いています。それに、きちんと父親やってますよ。

上の子供も大きくなって今、ダンス教室に通ってます。


私はというと唯月のマネージャーになりまして、女優と過ごす毎日に忙しなく働いております。


あ、そうそう。

今度、唯月が初めて主演する映画があって、アカデミーも夢じゃないんですよ！

中尾夫妻、須永夫妻、里見夫妻とはそれぞれ連絡を取っていて、家族ぐるみでそれぞれ仲良いんですよ？


って、ふと思うんです。

もし、あの10日間が無かったら？


きっと須永夫妻はいなかったんだろうなーとか、そもそも私達は結婚してないんだろうなーって。

私は、生きてないんだろうなって。

常日頃すごく思うんです。

毎日言ってるありがとうは先生に届いてるんですかね？


私達にとって、先生の授業は一生の宝になってます。


まぁきっと先生も、もう、分かってますよね。

ありがとう。柊先生。

またどっかで会えたらいいな。






そっと目を開ければ、思ったよりも眩しくて。

立ち上がって先生に向かってまたねって手を振る。




甲斐｢A！そろそろ行くぞ！｣

『はーい！』

甲斐｢どこ行く？｣

『んー、隼人と2人なら、どこまでも！！』








(__________3年A組の、闇へようそこの、終わり)









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