3年A組の、闇へようこそ 4幕

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( No side )






美術室では甲斐が母親に電話をかけていた。




甲斐｢あぁ、聞いたよ。佐久間の実家の介護施設｣

道代“これであなたにも自分の時間がとれるといいんだけど…”

甲斐｢俺のことは心配しなくていいから。自分の道は、自分で切り開く｣




柊に言われたセリフを思い出しながら言う。




道代“たった数日会ってないだけなのに、随分逞しくなったみたいね？”

甲斐｢別に…｣




照れ臭くなって鼻の頭をかけば、電話口の母親が急に沈んだ声を出した。




道代“そう、聞きたかったことがあるの”

甲斐｢ん？｣

道代“Aちゃん、”




別れた、とは言ってないけど薄々勘づかれていただろう。




甲斐｢あぁ、Aなら生きてるし、より戻したよ。心配かけて悪かった｣

道代“本当に…？よかった…”




心の底からの安心の声に、母親が本当にAのことを好きでいてくれているんだと分かり嬉しくなる。


そしていつになく真剣な声で母親に伝える。




甲斐｢……これが終わったら、話さなきゃなんねぇこと、あるんだ｣

道代“…そう？”




Aの家の事、子供のこと、これからのこと。


これから先もずっと一緒にAと人生を歩みたいと思ってることを、伝えたいと思っていた。




甲斐｢Aと2人で、会いに行くから、待ってて｣

道代“待ってるわ”




そう、直ぐに返ってきた声にホッとした甲斐の表情は家族にしか見せないとても優しい顔をしていた。








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