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は〜、と息を吸って目尻に溜まった涙を指で拭う。久しぶりにこんなに涙が出るまで笑ったような気がして、自然と肩が軽くなっていくような感覚に包まれた。
そういえば最近、色々と張り詰めていたかな、なんて。
目の前の彼は顔を耳まで赤くして恥ずかしがっていて、少しだけこちらに母性なるものが湧いてきてしまう。
ふぅ、と一息つけて彼の方を今一度見据える。少しだけジトリとした視線を向けてくる彼に、私はにっこりと笑いかけた。
「…大丈夫。君とペアで体育祭の仕事するの、私だし。」
「…え、?」
「え、もなにも、クジでやったことだからあんまり疑わないでよ?」
「…疑い、ませんけど。」
「本当かなぁ?」
「本当です!!!」
「あはは、そっかそっか。
…君、名前は?」
「…加賀美、隼人です。」
「ふふ、そっか。
__私、七瀬A。加賀美、これから、よろしく。」
少しだけ納得しきれていない表情をする彼、基『加賀美』を見て、今まで感じていなかった感情の扉が開いたような気がした。
春爛漫、心地いい陽気に包まれた、そんな1日の出来事だった。
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ちょこれーと(プロフ) - とりあえず新作がこんな早く見られると思ってなくて、嬉しいです!しかもkgmだって!?作者様のペースで頑張ってください!応援してます!! (5月8日 18時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よる | 作成日時:2023年5月7日 23時