【kgm】日記帳【2j3j】 (ページ12)

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夏祭りページ12

茹だるような蒸し暑さと容赦なく照り付けて私たちの肌をこんがりとさせてくる太陽には、どうにもこうにも一度だけでいい、落ち着いてくれと言いたい。

…まぁ、保健委員としての仕事をしている今は、あまりそれは関係のない話なのだが。

他の学校よりも1学期が終わるのが遅い私の学校は、七月下旬になっても学校がある。とは言っても今日は終業日であり、校庭には夏休みの始まりを喜んで小躍りしている男子や楽しげに夏休み遊びに行こ〜、と話している女子、そしてそんなもの関係ない！と言わんばかりに練習している野球部など、まちまちだった。

……じゃあ、私が…正しくは私たちがここに残されている理由は？

「なぁんで私は最後の保健委員のシフトガチャに負けるの…」

「そんなの俺に言われても困りますって。」

保健室によくあるあの白いローテーブルに顔を突っ伏してセーラー襟を立てて周りの音をなんとか遮断しようとする。しかし私と一緒に仕事をしてもらっている後輩の通りやすすぎる声はそのセーラー襟を貫通して私の耳までダイレクトに届いた。

そう、なんと今日は終業式だと言うのに保健委員の仕事がある日であった。

保健委員会の仕事はシフト制のようなものになっており、終業式など学校が終わる日に委員会がある場合は基本ジャンケンで決めることになっている。

そして結果。私は見事にジャンケンに1人負けし、終業式の日であるというのに保健室にいて仕事をしてい？。

「…ごめんね、加賀美も。私とペアなばっかりに…」

「いや、別に嫌だなんて言ってないですよ。正直、家に帰っても特になにもすることないですし。」

「あれ、意外。なんかいっぱいやることありそうなのに。」

「別に社長の息子だからと言って英才教育をずっと受けてるわけじゃないですから！俺だって普通の男子高校生なんです。」

半袖のシャツの第一ボタンを開けてパタパタとしているその様子は男子高校生といえど色気があるもので、きっとファンが見たら卒倒してしまうレベルであろう。

私がこの場に居合わせたことを加賀美ガチ勢である友人や女生徒に知られていないことをありがたいと思うばかりだ。きっと見られていたら血眼にして追いかけられる。