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落着より少し前のことだった。
冥亜としては、リトル・グレイに乗っている『戦場での虐殺者』への因縁は終わったのだから、これ以上面倒を見るきはない。
非常用の脱出ポッドに怨念込めて詰めておく。
咲「・・・・・・」
ポッドの外で首を傾げた咲希は、
咲「冥亜・・・・・・」
「そんな目で見ないでくれ」
脱出ポッドの扉を閉じ、中身を見られないようにしながら、冥亜はしれっとしたに戻っていた。
咲希は、しばらくじーっと見ていたが、それも終わる。
そう、もはや純白戦争は全ての元凶、黒幕抜きで進行してしまう。坂道から雪玉を転がしてしまった後なのだ。
『願い』の意味が変わった。
戦争そのものを、止める。
冥亜は、咲希には死角となる位置から皮肉げに笑った。
(私はかつて
その後も準備はちゃくちゃくと進み、今彼女達は、壁に背中を押しつけて座り込んだまま冥亜は、咲希に合図を出す。
「咲希、やろう」
咲「おーけーい!」
体重力に異変を感じながらもリトル・グレイは、落ちていく。
ベルトや安全バーは必要ない。彼女達はアトラクションを楽しむのではない。
黙っていれば勝手に壊れてしまう宇宙ステーションと共に戦場へと向かっているのだ。
体を固定して心中なんぞしたくない。
壁の向こうが炎に包まれて行く中で、冥亜は正確に着地までの秒数を数えていた。
隣で咲希があばばばばばばばばばばばばばばばばばば、とバグっているが放っておこう。冥亜は割とドライなのだ。
「オンユアマーク」
冥亜は口の中で呟く。
精密な機械人形のように。
そして、その手に深月いろは製の拳銃が握られている。
「一〇、九、八、七、六・・・・・・」
咲希の瞳の色が、変わる。宇宙を溶かした瞳の色がさらに輝いていく。
その瞳は正確にとある座標を示していた。
「・・・・・・五、四、三、二、一」
ゴォッ!!とステーションのすぐ横を何か巨大な鋼が突き抜けた。
いいや、冥亜達が海軍の支援として来た空軍の軍用機の至近を通過していったのか。
地震にも似た横揺れが発生したが、冥亜の引き金にかける指は一ミリたりとも変化しない。
そしてついに引き金を引き、告げたのだ。
「ゼロ。戦闘開始」
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ミカみかん - ルキさん» どうにかさせよう、隊員(そう決心して続きを更新した人) (2021年2月9日 22時) (レス) id: ffa316ce3a (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - きっと、どうにかなるでしょう、隊長(考えるのを辞めた人の末路) (2021年2月9日 21時) (レス) id: aeb816d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
ミカみかん - ルキさん» 波止場庵を突っ込んでからさらに状況が悪化しましたからね・・・・・・どうしようか、隊員。(思考中) (2021年2月9日 21時) (レス) id: ffa316ce3a (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - 戦争とは長く非道なものなのですぞ、隊長(←お前誰やねん) (2021年2月7日 22時) (レス) id: aeb816d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
ミカみかん - ルキさん» な、んだ・・・・・・と・・・・・・っ!!!???((((勉強しろ受験生 (2021年2月3日 21時) (レス) id: ffa316ce3a (このIDを非表示/違反報告)
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