【派生作品】紅の壊し歌〜弍曲目〜

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「紅の呼吸 伍ノ型 紅桜・紅雨の一閃」

強く足を踏み込んでからの、一閃。紅き桜が無重力に乱れ咲く。

舌打ちをしながら虐殺者はそれを避ける。

紅桜・紅雨の一閃は、霹靂一閃と似たようなものだ。一直線の剣技。

例え、仇桜冥亜が無酸素空間でも生きられる化け物だとしてもたった数センチ横にずれるだけで死の矛先から逃れる。

虐殺者は、束の間の間交差した冥亜に刀を降ろうとして。

そして目を見開いた。

「･･････あ？」

冥亜の一撃は避けた。奴は確かに怪物だが。冥亜じたいは只の人間と同じ構造をしている。

鬼でもない、人体を骨格レベルで改変させている訳でもない。ただの人間と同じ。

それだけならまだ、対処が出来た。出来るのだ。彼ならば。

『戦場での虐殺者』が恐ろしいといわれるのはその辺りにある。

どんな相手でも一〇〇%確実に殺害、そこに千人いるなら千人が死に至らしめるほどの力を持つのだ。

そんな彼でさえ、全く予想がつかない(･････････)ことが起きた。

これは、『それ』はある意味において国が滅ぶことよりも重大視される案件だったのかもしれない。

つまり。

ッッッドン!!!!!!、と『あの』仇桜冥亜が、人死を決して許さない『願い事の執行者』が狭っくるしい宇宙ステーションを真っ二つにしたのだ。

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