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「５人ってどういうことだよ！」
「５人じゃ不服か？じゃあ、10人にしようか」
いつもより多い殺害予告に皆騒然となる。
口々に初日動揺、センセイになんとか踏みとどまってもらえるよう皆が必死に声を上げた。
「冗談はやめてください！」
「俺は本気だよ。刑事さんを可哀そうに思うなら、動画を撮った奴が速やかに名乗り出ればいい」
ふいに、大人しくなった甲斐の方をちらりと見やった。
彼は下唇を噛み、悔しそうに顔をゆがめている。･･････やっぱり、なんだか今日の彼はおかしい。
「名乗り出るわけねぇだろ･･････」
「だったら、刑事さんを信じるしかないな」
そういうと、センセイはパソコンをそのまま置いて、教室から姿を消した。
残されたボク等は犯人捜しへと移った。
「ジャージが特注品なら、水泳部の仕業じゃね？」
「しかも女子更衣室」
瀬尾と諏訪の発言により、全員の視線がとある生徒へと向いた。それは、水泳部キャプテンである、熊沢だった。
「犯人確定じゃ〜ん」
「ちょっと待ってよ...私じゃない！」
「お前がやったって言わなかったら、誰も死なずに済んだ！」
「本当に私じゃないんだって！」
「私知ってるよ！花恋が澪奈にライバル心めらめらだったってこと･･････！」
「部長なのに、話題はいつも澪奈ばっかり」
「そりゃあ、あんな動画撮りたくもなるか」
皆で熊沢を責め立てた。証拠も何もないのに。･･････熊沢の努力も知らないで。
『ねえ、ボクは熊沢が犯人だなんて思わない、けど･･････』
「は？つっきー何言ってんの？」
「あ、じゃあ今回こそはつっきーの仕業ってこと？」
諏訪の言葉に続いて、水越がここぞとばかりに声を上げた。
「だから....！」
『そう思いたければ、それでいいんじゃない？どうせ、真相はわかるんだから』
ね？と水越を見て、熊沢を見る。
誰かを疑うなんて面倒な、いや辛いことわざわざしなくたっていいじゃない？
そんな感情が芽生え始めてきたボクはもう投げやりになってきていた。
「なんでそうなるの？翔も何か言ってよ。なんで黙ってるの」
熊沢が声を荒げていた。何が起こった？と当たりを見まわせば、再び疑いの目は熊沢に向いていたようだった。
「･･････お前が景山を嫌っていたのは、事実だろ」
熊沢は信頼していた真壁にも突き放されるような発言をされ、相当頭にきているようだった。
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