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しばらくすると、ドガアアアンと初日の朝のような爆発音があたりに響き渡った。隣の美術室で爆発が起こったため、床が衝撃で揺れた。
揺れが収まるか収まらないかのうちに、甲斐が勢いよく教室を飛び出していった。それに続いて、石倉と須永も廊下へと飛び出す。鍵が開いていたことに驚きつつも、立ち上がりボクも外へと飛び出した。
＿＿＿＿その先で見たものは想像を絶するものだった。
美術室の扉はもちろん鍵がかかっており開くことはなかったのだが、必死に扉をこじ開けようとする甲斐たちの間から目に飛び込んできたのは、とても悲惨な光景だった。
崩れた壁、瓦礫の間や下に腕やら足やらが無数に散らばっていた。
それはあまりにも、今のボクらには刺激が強すぎるものだった。
教室では恐怖からか、泣きだす者もいた。
ボクは涙が逆に引っ込んでしまった。開いた口が塞がらないとはまさにこのことか、と頭の片隅で考えている自分がいる。
後ろを振り返れば、ボクと同じように美術室の中をみた茅野が絶句して立ち尽くしている。
目の前では、悔しそうに床を叩き、泣き叫ぶ甲斐や石倉。苦虫を噛み潰したような顔をする須永の姿が。
《刑事さん、あなたのせいで５人が犠牲になりました。今、あなたが抱いている感情は怒りですか？絶望ですか？》
《決まってんじゃねーか！希望だよ！
こんなクソみてぇな犯罪が二度と起こらねぇようによぉ。必ずお前に手錠をかけてやる。それが俺にとっての明日を生きる活力だ！》
刑事さんとセンセイの会話がスピーカーを通じて聞こえてくる。
燃えてる……。この言葉だけでもどれだけ人間的にできてる人なのかがわかる。
これだけ、有能な刑事なら...教師なら...。きっとセンセイの力になってくれる……はずだ。
*
少年は意識が浮上したことに違和感を覚えた。
目の前には、記憶が正しければ一緒に殺されたはずのクラスメイトの姿があり、体には痛みもなにもなかったからだ。
ひんやりとした床に寝かされていることに気が付いた少年は、簡単に持ち上がる体に、目を見開くほどの驚きを覚えた。
辺りを軽く見回してから確実に上半身を持ち上げる。
ふと視界の端に、自分らと同じ制服が映った。はっとして顔を上げれば、そこにいたのは死んだと思っていた仲間だった。
「中尾……死んだんじゃ、なかったのかよ―」
そこで少年の言葉は途切れた。
中尾の隣にやってきた先ほど自分達を殺したはずの男が、担任が目の前に現れたから。
*
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