【３年A組】雨のち晴れ (ページ27)

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茅野が茅野自身を責めるたび、自分のしたことに心が痛んだ。皆が、こんな茅野を見ても変わらないことに苛立ちのようなものを覚えた。茅野が景山の死の全責任を背負おうとしていることに、自分の今までしてきたことに、どんどん目を背けることができなくなって････････････苦しくなった。

本物の景山がこんなことはしないし、言わないのもわかっていても、
記憶の中の景山がボクを呪って殺そうとしてくる。･･････もう耐えられない。耐えきれないんだ。
【自分のやってきたこと、あの時の自分と向き合う努力】をした茅野を見ていると、･･････もう抑えきれなかった。

((･･････水無月。お前が茅野と一緒に答えろ))

センセイがくれた回答権(チャンス)だ。これを無駄にするわけにはいかない！
センセイはボクを待ってくれている。なら、ボクが今することは一つだ！！

『･･････ちょっと待ってっ！！』

下を向いているセンセイに向かって、ここにいる皆に、茅野に、" 澪奈 "に向かって必死に叫ぶ。

『さくらちゃんは悪くない！･･････さくらちゃんのせいじゃないよっ！
確かに、さくらちゃんの言う通り、皆で無視して、イジメて、さくらちゃんも皆に合わせて、完全に澪奈はこのクラスでは孤立した状態になった。

でもっ、でも！！！』

一呼吸おいて息を整え、景山の席に目をやる。

『一番サイテーなことをしたのは、ボクなんだ...。
ボクは澪奈を――――" 生殺(なまごろ)し "にしたんだ＿』

静かな空間で、ボクの声はよく響いたと思う。
甲斐を始め、ボクと仲の良かった人もそうでなかった人も目を瞠った。･･････ただ一人を除いて。

もうこの感情を隠し切れなくて、抑えきれなくて、口を割ったというのに、自分で作りだしたこの空気に耐えられなくて、身体のあちこちから震えが止まらない。

皆に軽蔑の目を向けられるのが怖い。信頼を失うのが怖い･･････。
嗚呼、ボクはどれだけ人に甘えて生きてきたんだろうか。こんな最低な奴らにさえも縋らないと生きていけないほど弱かったなんて･･････。センセイに出会えて、変われた！なんて思ってたけど、全然変われてないじゃないか！･･････思いあがりもここまでくるとクズすぎて笑えてくる。

『は、はは･･････っ』

ぐっと拳を作っていた手から力が抜けた。
乾いた笑いを少しだけ漏らせば、センセイは怪訝そうな顔でボクを見上げた。