【３年A組】雨のち晴れ (ページ13)

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「おい･･････！水無月。お前、毎日あんなもんつけられてたのかよ！」

『う、うん･･････。いつも、だよ？1,2個は必ず付けてくる』

甲斐とコソコソ話をしているうちに、茅野の分も回収し終えたセンセイは再び教卓に手をついた。

「このクラスが人質となったのには、理由がある」

センセイが喋ったと同時にチャイムが鳴った。･･････まるで、タイミングを計ったかのような鳴り方だった。
センセイは起爆装置である時計を構えながら、ボクたちに起立、礼、着席を強要した。

「どうして、このクラスは人質になったのか･･････」

センセイは、ぐるりと教室を見渡し、ある一人の女子生徒に回答権を渡した。

「じゃあ、宇佐美」

「はあ？分かるわけないじゃん」

「分かるはずだ。よく考えて」

「･･････皆がぶっきーに酷く当たるから」

宇佐美の発言で皆が俯いた。それは、図星なのか、それとも別の･･････。

「なるほど。まぁ、確かに教師に対するリスペクトはゼロだよなぁ。･･････でも、そんな理由でここまでスペクタクルな仕打ちはしないよ」

"じゃあ、なんだというのだ"、皆がそんな顔をしている。

「ヒントは、他のクラスには無かったことだ。･･････じゃあ、諏訪」

今度は、クラスの女子ボス―――諏訪に回答権を渡した。

「警察沙汰になったやつがいる」

諏訪は迷わず答えた。

「は？テメェッ喧嘩売ってんのか？！？」

勢いよく立ち上がった甲斐に思わず、体が反応する。

『ちょっ･･････甲斐くん、落ち着いて！』

「でも、アイツ･･････」と進み出ようとする甲斐を必死に止める。

「ははっ･･････甲斐が起こした傷害事件か。まぁでも、確かにそれも関係なくはない」

そう言い切ったセンセイは、廊下側から２列目、宇佐美の前の席までいくと、机を持ち上げた後、その席に座った。

「君たちもわかるはずだ。でも、答えたくない」

「澪奈、澪奈のことでしょ？景山澪奈が自サツしたこと」

「ピンポーン！
他のクラスには無かったこと。それは―――"生徒を一人、失った"ことだ」

なーんだ、そんなことか、とまたクラスには悪い雰囲気が漂う中、ボクの隣から言葉が発せられた。

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