腹一分目:三日月の下-2 ページ3
思ったことを簡潔に述べると、彼女は「はぁ……」と声を漏らした。
「E組ですからねぇ」
「……その『E組だから』というのが無性に腹立たしいな」
「そんな理不尽な……」
「理不尽なんかじゃない。A組はE組と違って努力しているからA組であることを許されているだけだ。努力を忘れて勉強を怠った上に夜の街を爆走する不良とは違う」
「不良って……」彼女は微妙に顔を顰めた。
「寧ろ勇者だと思うんだけど」
「どう頑張っても君はRPGの世界には行けないし、そんなことが言い訳にできると思うな」
「言い訳って……まぁ、分かった。今日のところは帰る」
しつこいから折れてやった、という態度の彼女は、顔を顰める僕に気づかずに、こちらに背を向けて走り出した。
僕は彼女に呼びかける。「君はもう少し国語を勉強した方が良い。今の君は公立校の小学生に劣る」
彼女は振り返って僕に呼びかける。
「君はもう少し道徳を勉強した方が良い。君の気遣いは保育園の園児に劣るから」
少し離れたところで足踏みをしていた彼女の表情は暗くて見えにくかったが、
その口元は少しだけ笑っていた気がする。
+
……あの月が爆発して数日のこと、僕は初めて彼女とまともな会話を交わした。
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緑茶 - 他の方も言ってらっしゃいますが、数の少ない浅野くんメインの小説は、すごく私得でした！個人的には全然暗殺教室の小説は需要あると思います！これからも無理はなさらず頑張って下さい (2019年8月14日 20時) (
レス) id: 1907b7e26f (このIDを非表示/違反報告)
桃野忍(プロフ) - ライラさん» コメントありがとうございます。ほのぼのを目指して書いていたので、そう言っていただけて凄く嬉しいです! (2019年7月31日 16時) (レス) id: ab6d1b44ca (このIDを非表示/違反報告)
ライラ - 浅野くんの小説が少ないなかでこんなに素晴らしい作品に出会えるとは思ってませんでした…ほのぼのしつつなんだかんだ主大好きな浅野くんが好きです笑 (2019年7月31日 1時) (レス) id: 3c124a00ab (このIDを非表示/違反報告)
桃野忍(プロフ) - ひかりさん» 返信が遅れて申し訳ありません。ありがとうございます、本当に嬉しいです！ (2019年6月19日 13時) (レス) id: ab6d1b44ca (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - はじめまして！浅野君がかっこよかったし、ストーリーもとても面白かったです！ (2019年4月4日 20時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃野忍@もものしのぶ | 作成日時：2017年1月21日 12時
