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惚れられた強み ページ4

「祐希、今年も花火大会一緒に行く?」







おれは知ってる。

ていうか気付いてる。




Aがずっと

おれに想いを寄せていること。









「うん、行くよ。」


「結局今年も彼女できなかったんだね」








まあ正式には作らないんだけど。


Aがいるし。








「そんな寂しい祐希のために、仕方ないから今年も付き合ってあげるよ」






本当はおれと付き合いたいのに強がっちゃって。


口元緩んでるのバレてるよ。






ほんとツンデレ。

素直に好きって言えばいいのに









「うん、ありがと」




でも、そんな姿を見るのが密かに楽しくてちょっと弄んでる。



正直めちゃくちゃかわいい。









おれからは言ってやんないけど。









結構楽しみにしてた花火大会当日


今年はお互い浴衣にしようって約束した









「浴衣、似合ってるじゃん」



"かわいい"








ちょっとからかうつもりで言っただけなのに。









「え、」






びっくりするぐらい顔が真っ赤になるA。




いや、さすがにおれも戸惑ってる。


そんな照れる?









「…祐希はまあまあだね。」





ここでもツンデレ発揮するんかい。









「ふふ、ありがとー。」









何か言いたげなAに、


そろそろかなって思いながらも

おれは気付いてないフリをする。









あ、花火。








「…祐希」


「ん?」







花火の音であんまり聞こえないけど

おれももう待ちきれなくて、耳を澄ます。









「……す、き」






花火に照らされながらそう言うAの顔は

今までで一番愛しいと思った。







やっと言ってくれた。









「…そういうこと、だから。」



「みんなには彼女って紹介していいんだよね?」



「え…と、…え?」









まさか好きとだけ伝えて

付き合ってとは言わないつもりだったのか。





こんなにおれを待たせておいてそれはズルい。









「ずっとおれと付き合いたかったんでしょ?」




真っ赤なAに迫るように問う。








「…別にそういうわけじゃない、」



「そんな顔真っ赤にして否定されても。」









Aがこんな可愛い姿を見せるのは多分おれにだけ。









「もう待ちくたびれた。」







惚れられたおれの強み






-

(祐希、手…つなぎたい)
(ずいぶん積極的だね)
(今までずっと我慢してたもん、)
(……なにそれ結構くる。)

誘惑→←関係



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作者名:まる | 作成日時:2016年9月25日 10時

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