異端児とフルスコア組の短編日記

花嫁_ノーマン ページ10

マ「来月の10歳の誕生日の次の日にAが里親の所に行くことになったの！」


兄弟達がわっと湧き上がった

会えなくなるのを嘆く者

喜びを分かち合う者

私もとても嬉しかった


『ハウスを出たらたくさんの絵を描いて皆に絵葉書とかいっぱい送るね！』

「わぁぁー！」

「楽しみにしてる！」

『ママにも絵葉書送るからね！もっともっと絵描いて上手になる！』

マ「ふふっ、楽しみにしてるわ。」



休み時間はよくギルダと一緒に過ごす

鬼ごっこはあまり得意ではないが

捕まっちゃっても

このスケッチブックがあればへっちゃら


ハウスの外の世界はどんな服があるのだろうと

ギルダと夢を膨らませる

花のようなブラウス
空のようなスカート
星のような髪飾り
宝石のような靴

描いた絵はギルダやママに見せる

そしてもう1人


『みてみてー！ノーマンくん！』

「ふふっ！いい感じだね。きっとAに似合うと思うよ。」

『ほんと！？やったァ！』


大好きなノーマンに


ノ「Aが描く絵は華やかなのが多いから”ウエディングドレス”とか描いてみたらどうかな？」

『うえでぃんぐ……？』

ノ「結婚する時に着るドレスだよ。」

『へぇ！やってみる！』


私が結婚するなら……

想像を膨らませてドレスを描く

それに身を包み

教会と呼ばれる建物の長い廊下を歩く

その先で立って待っている相手は

勿論ノーマンが良い


『どうかな？先週話してたウエディングドレス描いてみたんだけど……』

「すごくいいと思う。宇宙とかモチーフにしたのかな？」

『うん』


何処か曇った表情の彼を見て

少し心配になる

今日は何だか元気が無さそうだ

大丈夫か聞こうとするがその前に

彼は私を力一杯抱きしめた


『ちょっ、ノーマンくん？』

ノ「A……行かないで……。」


一呼吸置いてから体を離し

肩をガシッと掴んで真剣な目でこちらを見た


ノ「いいかいA。今から話すことは全部本当のこと、いるんだろエマ、レイ、ギルダにドンも。」


影からエマ達が出てきた

一体何が始まろうとしているんだ？


ギ「話ってなんのこと？」

レ「このハウスの事だ。」


レイ、エマ、ノーマンは此処のことを

包み隠さず全て教えてくれた


勿論、このままだと

私が死んでしまうことも

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