肆拾壱【高が知れてる】 ページ44
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青葉会から無事ドローンと料金を回収したレイヤとツボミ。次なる目的地は白野率いる青眼の白竜の拠点だ。
「青眼の白竜って、最近武器開発を進めてるらしいけど、大丈夫？」
心配そうに問うツボミとは対照的に、レイヤは余裕を見せていた。
「全く問題ねぇ。あいつらの技術は高が知れてる」
速度を落とすことなく歩き続けるレイヤを、ツボミは早足になって追いかけた。
＊・＊・＊
青眼の白竜本部にて。
「マスター！ 第一防衛ライン突破されました！」
「何だと!?」
マスターと呼ばれた男、白野は突然大声を上げた。
「第二、第三ラインは？」
「第二防衛ラインで戦闘あり。苦戦中です！」
「第三防衛ラインに全戦力を集結せよ！」
後輩の報告を受け、白野は指示を出した。それを受け、奔走する部下たち。開発中の新兵器も投入され、戦闘準備が整えられた。
「第二防衛ライン突破！」
「今だ、一斉攻撃！」
白野の鶴の一声で、侵入者に容赦無い攻撃を浴びせた。
「やったか!?」
部下の1人がそう叫んだ。しかし次の瞬間、青眼の白竜の彼らは目を見開くことになる。
「随分と物騒な真似をしてくれますね」
攻撃の土煙の中から悠々と歩き出た1人の男。手には銃、傷一つ付いていない彼に、青眼の白竜のメンバーは絶句した。
「攻撃はこれで終わりですか？ なら、今度はこちらの番ですね」
銃を持った男、レイヤは白野に近づいた。
「ドローンの返却と延滞･破損料金の支払いをお願いします」
そう言ったレイヤは笑顔だった。恐ろしくなった白野は部下にレイヤを取り押さえるように命じたが。
「これは正当防衛でよろしいでしょうか？」
優しく、しかし鋭い女子の声がした。ツボミである。
ツボミは舞うようにして青眼の白竜のメンバーを退けると、白野にふんわりと微笑みかけた。
「白野先輩、応じていただけますよね？」
天使か悪魔かもはや区別が付かぬ笑みに、白野はただただ頷くしかなかった。
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