参拾玖【こりゃ決まったな】 ページ42
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戦闘開始から数時間が経過。抗争はいよいよ終盤戦に入る。
「さて、今季はどこが上がってくるか」
既に貸し出した蜂の多くが抗争の犠牲となっている。しかし、生き残った蜂たちは、抗争の行方を知らせるべく学園中を飛び回っている。
そんな蜂たちのうち1匹が、青葉会大将の姿を映し出した。
「囲まれてんな」
大将を取り囲んでいるのは、制服からして旭光の翼のメンバー。今回は特に屈強なのが揃っているとは聞いていたが、流石の筋肉だ。
「3-Bの青柳先輩だっけ？」
「あぁ。うちが始まった頃から青葉会のNo.2の座に就いてたからな。持ち上がりだろ」
そうこうしているうちに、筋肉が跳びかかり、大将･青柳はなす術なく目を回した。
「負けたね」
「負けたな」
三つ巴状態だった抗争はついに決勝に進んだ。そしてその様子はすぐにモニターに映し出された。
「って、これって大将同士だよね？」
「旭光の翼の大将･3-A赤羽、青眼の白竜の大将･3-F白野だな」
「せめて敬称付けよう？」
ツボミの指摘はさておき、本当に大将戦をするようだ。1対1では当然ながら赤羽に分がある。しかし、白野もそれは承知のことであろう。何か策を講じているに違いない。
そう思った時期がレイヤにもあった。何とも馬鹿なことに、白野は素手で赤羽に挑もうとしているではないか。
「こりゃ決まったな」
「そんなにすぐ決め付けなくても……」
ツボミが反論しようと何かを言いかけたとき、モニターには泡を吹いて倒れている白野の姿があった。
「やっぱ今の無しで」
「分かってらぁ」
情けない白野の失神姿に、レイヤとツボミはただただ呆れるしかなかった。
抗争終結。勝者、旭光の翼。
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