弐【退学？ 上等じゃねぇか】 ページ5
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入学式。レイヤとツボミは、園等先生に呼ばれた。去年までは同クラスだった不良、雷堂 メラも一緒である。
「レイヤ君、いい？ 今日入学してくる子たちに怨霊が取り憑いてても、万が一ってことが無い限り、絶対に手出しをしては駄目よ」
「へいへい」
「聞いてたかしら？」
金平糖を口の中に放り込みながらやる気のない返事をするレイヤ。園等先生は困り顔である。
「あんまり好き勝手やるようだったら、退学してもらうわ」
「そーですか」
レイヤはポケ○ンで言えば、効果はないようだ……、に該当するであろう返事をした。園等先生はレイヤの説得を諦め、ツボミとメラに向き直った。
「……もう良いわ。
メラ君とツボミちゃん。貴方たちには新入生の教育をしてほしいの」
「あん？」
「はい？」
頭の上に？マークを浮かべながら顔を見合わせるメラとツボミ。
「簡単に言えば、新しいYSP使いの歓迎よ。貴方たち、暇でしょう？」
園等先生の何気ない言葉、暇、というワードが2人に突き刺さった。
「ふざけんな！」
「誰が暇人よ！」
メラとツボミは今にも飛び掛らん勢いだった。
「YSP優遇反対！」
どさくさに紛れてレイヤも叫びだす。
彼らの様子を見て、園等先生はにっこりと笑って言った。
「納得いかないなら退学です」
退学、と聞いて、メラとツボミはシュンと縮こまった。
しかし。
「あぁ、良いぜ。退学にしたけりゃ退学にしやがれ！」
「ちょ、レイヤ？」
レイヤには全く効果が無いようだった。それどころか、園等先生を罵り始める。
「大体、そのYSPとかいう制度自体大嫌いなんだよ！ 超能力？ 非科学的？ どうとでも言っていやがれこの年増が！ YSPが無かったら怨霊と戦えません？ んなわけあるか！ 誰が戦闘手段がYSPだけって決め付けた？ そんな法律も校則も存在しねぇ！ これだから頭の固い昭和的糞ババアは……」
「レイヤ、止めて！ ストップ！」
突然、園等先生の後ろから禍々しいオーラが出たように見えた。
「年増で、ババア、ですって!?」
「あぁ、そうだよ、BBA。何度だって言ってやるさ！」
やけを起こした園等先生とレイヤ。今にも戦闘が始まりそうな勢いである。
そんな2人を余所に、メラとツボミはこそこそと話していた。
「何か、自分が常識人だって思えてくる」
「番長が常識人名乗ったら終わりよ」
参【新入生歓迎会ですか？】→←壱【あっという間に進級なのだが】
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