弐拾肆【100%は存在しない】 ページ27
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放課後、あやしやにて。レイヤはショウを店の奥の作業室に入れ、昼間のことを訊ねた。
「マジで怖かった。あんな物、二度と見たくない」
ショウはそう言って頭を抱えた。息が浅く、早くなっている。
レイヤは何とかショウをなだめ、話の続きを聞いた。
「アイツは、グネグネして、そう、蛇だった。たくさん生えていて、気味が悪かった。アイツと目を合わせたら駄目だ、石になって殺される！」
ショウは再び過呼吸に陥った。レイヤが口で落ち着かせようとしても、先程のようにはいかない。結局開発したての催眠薬を少量だが使うことになった。
その後、ショウは正気に戻ったが、それと同時に『アレ』の記憶も吹き飛んでしまったようで、それ以上の情報は得られなかった。
ショウが返したレイヤの眼鏡の映像を解析すると、僅かに園等先生に黒いもやが掛かっているらしかった。
＊・＊・＊
「そこからは、学園の怨霊から地道に情報収集。ドローンも総動員だった」
レイヤが説明を終えたが、ツボミはまだ不満なようだった。
「どうして私に何も言ってくれなかったの？」
レイヤはその問いをスルーしようとしたが、ツボミに重ねて訊かれ、仕方なく言った。
「まだ勝算が無かった」
「勝算？」
そう聞き返したのはフブキ。ツボミはそれには目もくれず、レイヤの襟を掴んだ。
「ふざけないで。勝負事に100%なんて無いってことぐらい分かってるでしょ!?」
ツボミは怒りに駆られて叫んだが、すぐに手を離し、いつものトーンに戻った。
「ごめん、ちょっと言い過ぎた。でも、そういう情報はなるべく教えて。今回みたいに初動が遅れるのは勘弁だから」
「……今回は俺のほうにも非があった。BBAに呼び出された時点で予想すべきだった。今後は気を付ける」
2人の言い争いが収束したところで、何かを思い出したようにフブキが言った。
「いけない！ もう行かなきゃ！ ブーツ見てくれてありがとう」
そう言い残し、弾丸のようにフブキは店を出て行った。カウンターの上にぴったりの金額を残して。
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