拾陸【ジェットは偉大なり】 ページ19
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一応の作戦を決めたジンペイ、フブキ、そしてレイヤは、それぞれの行動に出た。
まずはフブキがロケットランチャーに弾を込め、メドゥーサに向けて発射。その間にジンペイとレイヤでメドゥーサを挟み撃ちにしよう、という算段である。
メドゥーサはそんなことはいざ知らず、岩石をさらに大きくしようとしていた。ちょうどその時、フブキが放った弾が、メドゥーサの目の前まで飛んだ。
「こんなもの……」
メドゥーサは腕の蛇を盾にしたが、むしろそれは逆効果。再び蛇たちが悶絶しだす。
「チッ、またか！」
「その通り！ それも催涙弾よ」
フブキは満面の笑みである。一方のメドゥーサはご立腹。まずはフブキをどうにかしようと動き出した。もちろん、フブキに攻撃するにはメドゥーサも高度を下げるしかない。
その隙を狙い、ジンペイとレイヤは行動に出る。ジンペイはメドゥーサの正面に、レイヤは背後から。
「舐めないで頂戴」
しかし、メドゥーサのほうが一枚上手だった。ふわりとさらに身体1つ分浮き上がり、ジンペイとレイヤの攻撃を避けた。
痛手を負ったのは攻撃を仕掛けた2人である。ジンペイの刀は空を切り、そのまま塔に落下。レイヤも攻撃対象が急に消えて体勢を崩し、森の木々の腕を借りる羽目になった。
「攻撃なんて当たらなければ意味が無い。
みんなまとめて、下敷きにしてあげる」
そう言ってメドゥーサは岩を投げつけようと構えた。レイヤが急いで起き上がるが、とても間に合いそうに無い。
「畜生め！」
いくら叫んでも、突然身体能力が上がることも、何か力に目覚めることも無い。打つ手無しかとレイヤが思った時。
突如、ロケットのようなものが塔から飛び出した。マタロウだ。マタロウがジェットブーツを使って飛んでいるのだ。
「ジンペイ君！」
「マタロウ！」
落下中であったジンペイは体勢を立て直し、マタロウにまたがる形になった。そのままメドゥーサのすぐ近くまで飛び、そこからはジンペイの脚力と腕のリーチで、初めてメドゥーサに攻撃が通った。
今度落下するのはメドゥーサの方である。集めていた岩は形を崩し、真っ直ぐに地上に降る。
レイヤは降ってくる岩を銃で小さく砕きながら塔の上に戻った。
拾漆【やったな＝生存フラグ】→←拾伍【とっとと奴を片付ける！】
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