拾弐【多少は無視だ】 ページ15
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塔に向かいながら、レイヤはフブキに自分の知る情報を話した。
「敵の怨霊はメドゥーサ。少なくとも俺らが入学した当初からB……園等先生に取り憑いていた。
頭と腕の蛇と目が合うと石にされる。蛇は切ってもまた生えてくるから注意。石を操ることもできるが、こっちはさほど問題ない。弱点は本体の目。ただし普段は蛇がとぐろを巻いてるせいで直接攻撃は不可能。あとは、これは予測に過ぎないが、刺激臭いに弱い。
俺が持ってる情報はこれで全部だ」
一通り話し終えたレイヤ。フブキは少々疑問を抱いた。
「そこまで分かってるなら、早く倒しちゃえば良かったんじゃない？」
「そうなのかもしれない。だが、踏み切れなかった」
フブキはそれ以上何も問わなかった。ただ歯を噛みしめるレイヤをじっと見ていた。
＊・＊・＊
塔の前に着いたレイヤとフブキ。突入の前に作戦を確認する。
「あの塔は三角コーンみたいに中はすっからかん、一番上に部屋がある。
ジェットブーツがあるならご丁寧に内部から行く必要は無い。屋根ぶっ飛ばして入るぞ」
「その屋根飛ばし、私にやらせて。ちょうど試したい武器があるの」
フブキの提案、もとい願望を二つ返事で受け入れ、レイヤは続ける。
「侵入後はメドゥーサ撃破を最優先。侵入時点でどうせ屋根はなくなってるんだ。多少の被害はこの際無視だ」
「生存者がいた場合は？」
「敵はメドゥーサのみ。協力できそうならするし、できなさそうなら追い出すまでだ」
作戦会議を終え、フブキは大きなロケットランチャーを構えた。
「面白くなってきたわ！」
そう言うと同時に、フブキはロケランの引き金を引いた。
轟音と共に、塔の屋根が粉々に砕け散る。粉塵が収まらないうちに、レイヤとフブキは塔内部に突っ込んでいった。
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