終点 ページ6
それは確か、リオが10歳の誕生日を迎えた日、寒い冬の日だった。
正体がばれては転居を繰り返すうち、2人は海辺の町に辿り着いた。辛うじて住むことができそうな洞穴を見つけ、そこでまた暮らそうとしていた時だ。
「お前、あの給料泥棒か!?」
「あのポケビト野郎か!?」
「妹が病気って言ってたが、後ろのチビは随分と元気だな」
かつて同じ場所で働いていた大人たちと鉢合わせてしまった。悪意に満ちた波導がむき出しになっていた。
「今日という今日は逃がさねぇ！」
「ボコボコにしてやるよ」
「俺たちの仕事を返せ！」
2人は懸命に逃げたが、逃げる方向を間違えた。すぐにせり立つ崖に追い込まれ、残す逃げ道は荒れ狂う海の中のみとなった。
大人たちに捕まれば間違いなく命は無い。だからと言って海に逃げようにも、ポケモンは決してポケビトには協力してくれない。
「お兄ちゃん、どうしよう？」
「とにかく、逃げなきゃ！ でも、……」
じりじりと迫り来る大人たち。
「リオ、ここから飛び込もう」
「それしか無いの？」
「大丈夫。俺がリオを守るから」
2人のポケビトの姿が、崖の上から消えた。
「何だ、ついに諦めたか」
「俺たちの手で止めを刺せなかったのが悔しいな」
「ま、良いじゃねぇか。目的は果たした」
大人たちは崖から立ち去った。
水の中に落ちたルオは、岸に上がり、リオを探した。幸いにも、リオは岸の上にいた。気絶しているが、怪我もなく、生きている波導を感じた。
「良かった……」
一気に気が抜け、体力の限界を迎えていたルオは、意識を手放した。
＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊
気付いたら、そこは暖かい場所だった。
ルオは目を開けると、起き上がって辺りを見回した。
自分がいるのは、柔らかい光が射し込む部屋。そこの片隅、カーテンで仕切られた場所に置かれたふかふかとしたベッドの上。カーテンの後ろからは、微かに波導を感じる。
この波導を間違えるわけがない。リオだ。リオが隣にいる。生きている。
ルオは再び安心し、数年振りの布団にくるまった。
＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊
──ここはポケビト学園。
ポケビトが平和に暮らせる楽園である。──
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そら*フィア(プロフ) - タートルさん» ありがとうございます！長くなるかもしれないので、ボードに行きますね (2020年1月19日 14時) (
レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
タートル(プロフ) - そら*フィアさん» やった！良かったらこれを機にミラと関係を結びませんか？ (2020年1月19日 14時) (レス) id: 77bb05bd52 (このIDを非表示/違反報告)
そら*フィア(プロフ) - タートルさん» ありがとうございます！これからも何かの度に使わせていただきます！ (2020年1月19日 14時) (レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
タートル(プロフ) - そら*フィアさん» 確認しました！リオ様と触れ合えて嬉しいです！口調とか全然大丈夫です！これからも使ってあげてください。よろしくお願いします！ (2020年1月19日 14時) (レス) id: 77bb05bd52 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - そら*フィアさん» 仲良くなったらルオさんを存分に振り回すと思います(汗。私の方の派生作品も過去編が終わったら色々とエピソードを書きたいと思っているのでこちらこそよろしくお願いします！ (2020年1月19日 13時) (レス) id: 46733a7bea (このIDを非表示/違反報告)
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