【バディファイトX】混沌に生まれて星 (ページ7)

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No.6　誤認ページ7

WBMの会場で、黒い竜と一緒にいる不審者の目撃情報が入った。四ツ門かもしれないという。
「星影未来、帝都クウ両名は会場周辺を捜索せよ」

　未来とクウは必死に捜索したが。
「見つからないであります」
「諦めてはいけないのです」
　未来は再び四ツ門の情報に目を通した。
「そういえば、未門牙王のバディ、魔王竜バッツも黒かったのです」
　ふと思い出し、呟いた。クウはそれを聞き逃さなかった。
「それであります! 犯人は未門牙王で間違いないであります!」

　その夜。
　未来とクウはサツキに乗り、牙王を探した。
「このあたりのはずなのです」
　双眼鏡を持って懸命に探す2人に、サツキが告げた。
「ターゲット、確認しました」
「見つけたであります、未門牙王」
　ターゲットを捕捉し、荒っぽい手段に出た。

　家を持ち上げられ、牙王は驚いてベランダに飛び出した。ここぞとばかりに、2人は名乗りを上げた。
「自分はヒーローワールド代表、帝都クウであります!」
「星影未来なのです!」
「お前は犯罪者であります」
「バディモンスター窃盗の容疑で」
「「逮捕するのです(であります)!!」」
　固まる牙王。代わりに立ちはだかったのは牙王のバディ、バッツ。
「貴様ら、俺様が相手だ!」
　バッツの初撃の雷を食らったクウは少しよろめいたが、すぐに立て直した。
「迎撃開始するであります!」
「絶対に逮捕するのです!」
「待て、3人とも!」
　今まさに戦闘が始まろうとするその時、割り込んできたのは。
「タスク先輩?」

「犯罪者を勘違いした?」
　事の始終を聞いた牙王の上には?が3つ程浮いていた。
　未来とクウは、赤面して正座している。
「ついさっき、容疑者の四ツ門カマキリが逮捕されたよ」
　タスクは少し困った顔でそう言った。
「名前が似ていたから間違えたであります……」
「バディが黒いから勘違いしていたのです……」
　タスクは牙王の両親に向き直り、頭を下げた。
「ご迷惑を掛けて、申し訳ありませんでした」
「すみませんであります……」
「申し訳ないのです……」
　2人も頭を下げた。
「誤解が解けて良かったわ」
　両親は、2人をこれ以上責めなかった。
「気にすんなって」
　牙王も笑顔で、2人の頭をポンポンした。
「今、頭をポンポンしたであります」
「ク、クウ? 流石に今は駄目なのです!」
「許さないであります!」
　未来の静止も効果なし、クウは牙王の頭に噛み付いた。

　家中にクウと牙王の叫び声が響いた……