弐、転校 ページ3
かぐやの転校初日。暁はとてもわくわくしていた。
「兄者、姉者、一緒に行くでござる」
斬夜の眼鏡がぴきっと割れた。
「ぼ、僕は用事があるから、先に行っている」
そう言うと、斬夜は足早に家を出て行ってしまった。暁は頬を膨らませたが、それも無駄な抵抗だった。
「兄者、行ってしまったでござる」
ふてくされた暁を、かぐやはそっとなだめた。
「斬夜さんも、決して悪気があったわけではないでしょう。
さて、そろそろ私たちも行きましょう」
かぐやと暁は相棒学園へ歩いていった。
「葉月 かぐやさんですね。こちらです」
相棒学園の教師に会議室のような部屋に連れて行かれた。
しばらくして始業のチャイムが鳴った。
「では、行きましょう」
かぐやが転校するクラスには、富士宮 風音がいる。彼女は世界の改変を妨害する可能性がある人物としてマークされている。
「葉月 かぐやです。よろしくお願いします」
軽く挨拶を済ませると、担任の鶴の一声で質問が始まった。
「好きな食べ物は?」
「焼き魚です」
実にほのぼのとした質問内容だった。
富士宮 風音がついに手を挙げた。
「バディファイトしてますか?」
「したことはありますが、バディはいません」
嘘だった。実際、バディはいたが、隠しておくよう言われていた。
「葉月さんはバディファイト専門コースへの編入も決まっています。仲良くしてあげてくださいね」
よほど時間が押していたのだろう。担任が半ば強引にまとめてしまった。
放課後、富士宮に誘われ、かぐやはどこかに連れて行かれた。
「富士宮さん、どこに向かっているんですか?」
「風音って呼んで!
今から行くのはキャッスル。バディファイトのカードをいっぱい売ってるの!」
今日のオススメワールド
百鬼夜行
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