【バディファイトX】混沌に生まれて忍 (ページ15)

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拾肆、放送ページ15

相棒学園でかぐやと風音が話していた時。
「姉者! 風音殿!」
　暁がかぐやに向かって走ってくるのが見えた。かなり焦っているようだ。
「暁、危ない!」
「え? ウワッ!」
　かぐやは叫んだが、時既に遅し。足元の段差に気付かずに、暁は頭から転んでしまった。
「全く、もう少し周りを見たらどうですか?」
「面目ないでござる……」
　かぐやは溜め息を吐きながら暁に手を差し出した。
「それで、ここまで1人で走ってきて、何かあったのですか?」
「兄者さんは一緒じゃないの?」
　それを聞いて、暁ははっとした顔になり、早口で話し始めた。
「そうでござった。兄者から伝言でござる! 『ウィズダムが現れた。相棒学園も襲われる危険がある。なるべく早く帰宅するように』とのことでござる」
　ついにCCCが実力行使に出たことを悟ったかぐやは、風音と暁が計画を妨げないようにし、かつ怪しまれない行動が必要と認識した。
「分かりました。して、兄上は今どこにおられるのですか?」
「テツヤ殿とバディポリスと一緒でござる。場所は、えっと、……」
「徒歩で超東驚湾に向かっているでござるんるん!」
「白夜!?」
　突然の白夜の登場に、かぐやと風音は驚かずにはいられなかった。
「斬夜殿が暁殿の護衛にと拙者を同行させたでござるんるん。ちなみに、拙者に斬夜殿の居場所が分かるのは、拙者が分身を斬夜殿につけているからでござるんるん。さらに、我が分身が斬夜殿にかぐや殿と合流したことも伝えたでござるんるん!
　さあ、これですべきことは全て済んだでござるんるん。一刻も早く帰宅し、斬夜殿を安心させるでござるんるん!」
「長いでござる! しかし姉者、白夜の言うこともまた事実。早く帰るでござる!」
　かぐやは無言で頷き、風音を見た。
「ちょっと待って! 学園の中にはまだ人が残ってる! 何とかしなきゃ!」
　風音がそう言うと、白夜は一瞬納得したような表情になったが、すぐに首を傾げた。
「しかし、どうするでござるんか? 学園内の者全員に知らせることなど……」
「方法ならあります」
　かぐやがそう言うと、3人は一斉に注目した。
「学園内放送なら、事態を知らせるだけであれば十分なはずです」
「かぐやナイス! じゃあ、早く放送室に!」

『皆さん、現在、超東驚湾で戦闘が起きています。相棒学園も巻き込まれるかもしれません。すぐに帰宅してください!』
「……ふぅ。これで良いのかな?」
「多分」
「やっと帰れるでござるか?」
「拙者たちも早く帰るでござるんるん」