検索窓
今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:5,861 hit

漆【滅相もございません】 ページ43

.

 雷堂と九尾の話が一旦終結したところで、園等先生が4人に話し掛けた。

「さて、話し合いは終わったかしら?」

 それを聞いて、4人は思わず顔を見合わせた。とても組み合わせのことをすっかり忘れていたとは言えない。

「ふふっ、言わなくても分かってるわ。どうせ忘れていたんでしょう?」

 図星を突かれ、4人は口を閉ざして視線を落とした。その様子を見た園等先生は、予想通りとでも言いたげに口を開いた。

「それなら勝手に組ませてもらうわ。レイヤ君と九尾君、ツボミちゃんとメラ君ね」

 園等先生はそう発表したが、九尾はどうも不服そうであった。

「園等先生の言うことであれば喜んで従いましょう。ですが、あんな筋肉馬鹿とツボミ君が一緒とはどういうことですか? どうして僕じゃないんでしょうか?」

 それはお前が究極のド変態だからだ、という生徒3人の心の声が漏れ出る前に、園等先生が顎に手を当てて言った。

「あら、困ったわね。貴方がレイヤ君に勝ったら、いい物をあげようと思ってたんだけれど。この組み合わせじゃ不服だったかしら?」

 少し屈んで上目遣いをする先生に、九尾の心臓は貫かれた。

「滅相もございません! 俺の我儘で園等先生の手を煩わせるわけにはいきません。ここで彼を打ち負かしてご覧に入れましょう!」

 そう宣言した九尾は、早速レイヤの方を向いた。

「さあ、始めようか。君にはさっきの恨みがあるからね。何をされても文句は言わないでよ」
「九尾、お前絶対景品狙いだろ」

 ついに突っ込みを我慢できなくなったレイヤだったが、九尾はさらに訂正を加えた。

「ただの景品狙いだと思ってもらっちゃ困るね。僕が欲しいのは先生からの愛、ただそれだけさ」

 ここまで園等先生に執着しているとは、九尾は救いようが無い変態だ。そう確信したレイヤは、話を先に進めることにした。

「もう何とでも言っていやがれ。とりあえず戦えば良いんだろ? だったらとっとと始めるぞ」
「そうだね。これ以上先生を待たせるわけにはいかないからね」

 レイヤの言に九尾も賛成し、すぐにバトルが始まることになった。

捌【火気厳禁よ】→←陸【呼び出された理由】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.8/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

そら*フィア(プロフ) - ダイヤモンドさん» ではこちらから向かわせていただきます! (2020年6月7日 13時) (レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤモンド(プロフ) - そら*フィアさん» 面白かったですか!!良かったです!ボードでお話全然大丈夫ですよ!どっちのボードでしますか? (2020年6月7日 13時) (レス) id: 5f9687d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
そら*フィア(プロフ) - ダイヤモンドさん» とんでもない!面白かったですよ! お友達大歓迎です!ぜひよろしくお願いします。(あまり浮上できないかもしれませんが、)ボードでお話しませんか? (2020年6月7日 12時) (レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤモンド(プロフ) - そら*フィアさん» 私の作品も見に行ってくれるんですか!?(あんまり面白くないかもです…)ありがとうございます!!あの…良ければお友達ってなれますかね…? (2020年6月7日 11時) (レス) id: 5f9687d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
そら*フィア(プロフ) - ダイヤモンドさん» ありがとうございます!とても励みになります。今度ダイヤモンドさんの作品も見に行きますね! (2020年6月7日 11時) (レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:そら*フィア | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年6月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。