漆【滅相もございません】 ページ43
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雷堂と九尾の話が一旦終結したところで、園等先生が4人に話し掛けた。
「さて、話し合いは終わったかしら?」
それを聞いて、4人は思わず顔を見合わせた。とても組み合わせのことをすっかり忘れていたとは言えない。
「ふふっ、言わなくても分かってるわ。どうせ忘れていたんでしょう?」
図星を突かれ、4人は口を閉ざして視線を落とした。その様子を見た園等先生は、予想通りとでも言いたげに口を開いた。
「それなら勝手に組ませてもらうわ。レイヤ君と九尾君、ツボミちゃんとメラ君ね」
園等先生はそう発表したが、九尾はどうも不服そうであった。
「園等先生の言うことであれば喜んで従いましょう。ですが、あんな筋肉馬鹿とツボミ君が一緒とはどういうことですか? どうして僕じゃないんでしょうか?」
それはお前が究極のド変態だからだ、という生徒3人の心の声が漏れ出る前に、園等先生が顎に手を当てて言った。
「あら、困ったわね。貴方がレイヤ君に勝ったら、いい物をあげようと思ってたんだけれど。この組み合わせじゃ不服だったかしら?」
少し屈んで上目遣いをする先生に、九尾の心臓は貫かれた。
「滅相もございません! 俺の我儘で園等先生の手を煩わせるわけにはいきません。ここで彼を打ち負かしてご覧に入れましょう!」
そう宣言した九尾は、早速レイヤの方を向いた。
「さあ、始めようか。君にはさっきの恨みがあるからね。何をされても文句は言わないでよ」
「九尾、お前絶対景品狙いだろ」
ついに突っ込みを我慢できなくなったレイヤだったが、九尾はさらに訂正を加えた。
「ただの景品狙いだと思ってもらっちゃ困るね。僕が欲しいのは先生からの愛、ただそれだけさ」
ここまで園等先生に執着しているとは、九尾は救いようが無い変態だ。そう確信したレイヤは、話を先に進めることにした。
「もう何とでも言っていやがれ。とりあえず戦えば良いんだろ? だったらとっとと始めるぞ」
「そうだね。これ以上先生を待たせるわけにはいかないからね」
レイヤの言に九尾も賛成し、すぐにバトルが始まることになった。
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そら*フィア(プロフ) - ダイヤモンドさん» ではこちらから向かわせていただきます! (2020年6月7日 13時) (レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤモンド(プロフ) - そら*フィアさん» 面白かったですか!!良かったです!ボードでお話全然大丈夫ですよ!どっちのボードでしますか? (2020年6月7日 13時) (レス) id: 5f9687d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
そら*フィア(プロフ) - ダイヤモンドさん» とんでもない!面白かったですよ! お友達大歓迎です!ぜひよろしくお願いします。(あまり浮上できないかもしれませんが、)ボードでお話しませんか? (2020年6月7日 12時) (レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤモンド(プロフ) - そら*フィアさん» 私の作品も見に行ってくれるんですか!?(あんまり面白くないかもです…)ありがとうございます!!あの…良ければお友達ってなれますかね…? (2020年6月7日 11時) (レス) id: 5f9687d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
そら*フィア(プロフ) - ダイヤモンドさん» ありがとうございます!とても励みになります。今度ダイヤモンドさんの作品も見に行きますね! (2020年6月7日 11時) (レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
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