捌拾弐【人間ごときが】 ページ36
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持ち上げられたレイヤは懸命に自分を掴んでいるものを引き剥がそうとするが、振り回す手は輪廻をすり抜け空を切るばかり。
「フフ、無意味だと分かっているのに、威勢が良いですね。その無駄な努力に免じて、手駒に加えて差し上げましょうか」
輪廻はそう言うと自分の能力の一部をレイヤに流し込んだ。恐らく、魂のコピーも。
レイヤは断末魔を上げ、身体を痙攣させた。
「レイヤ!!」
ツボミは掠れる声で叫んだ。
この時に自分が動ければどれだけ良かっただろうか。動かない身体に心中で悪態を吐きながら、ツボミはレイヤの無事を祈らずにはいられなかった。
ツボミの叫びなど無意味だとでも言うように、輪廻は高らかに笑った。
「そんなもので人間が助かる訳無いでしょう？」
聞こえているかどうか分からないにも関わらず、輪廻はまたレイヤに話し掛ける。
「貴方もどこかから聞きつけて知っているかもしれませんね、私の能力を。
自らの魂をコピーして対象の魂を乗っ取るものです。
たとえ乗っ取り損ねたとしても、人間ごときが私の能力に耐えられる訳が無い。抗うなど無駄なことですよ」
顔を青くしているレイヤを見ながら、輪廻はさらに口角を上げた。
「知っていますか？ 上級妖怪は相手の能力を奪う術を知っているのですよ。ならば自分の能力を他人に与えるなど容易いこと。
貴方には私の魂に乗っ取られるか、能力に耐え切れず死ぬかしか選択肢が無いのですよ！」
輪廻はレイヤを地面へ落とすと、高笑いでその場を去ろうとした。レイヤがもう二度と動けないものと確信して。
しかし、レイヤは動いた。倒れたままではあったが、確かに腕を伸ばし、輪廻の脚を
「やっと捕まえたぜ、輪廻
そう言いながら顔を上げるレイヤ。その表情は、余裕とまではいかないものの、何かを確かに得たかのような強い笑みを見せていた。
＊・＊・＊
真の力を取り戻した輪廻。
力尽きた転生者たち。
動きを見せる非能力者。
この世界の結末やいかに。
後編は『持つ者、持たざる者・急』にて。
続報を待て。
この先、番外編。
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そら*フィア(プロフ) - ダイヤモンドさん» ではこちらから向かわせていただきます！ (2020年6月7日 13時) (
レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤモンド(プロフ) - そら*フィアさん» 面白かったですか！！良かったです！ボードでお話全然大丈夫ですよ！どっちのボードでしますか？ (2020年6月7日 13時) (レス) id: 5f9687d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
そら*フィア(プロフ) - ダイヤモンドさん» とんでもない！面白かったですよ！ お友達大歓迎です！ぜひよろしくお願いします。(あまり浮上できないかもしれませんが、)ボードでお話しませんか？ (2020年6月7日 12時) (レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤモンド(プロフ) - そら*フィアさん» 私の作品も見に行ってくれるんですか！？（あんまり面白くないかもです…）ありがとうございます！！あの…良ければお友達ってなれますかね…？ (2020年6月7日 11時) (レス) id: 5f9687d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
そら*フィア(プロフ) - ダイヤモンドさん» ありがとうございます！とても励みになります。今度ダイヤモンドさんの作品も見に行きますね！ (2020年6月7日 11時) (レス) id: 8aa2e0c93a (このIDを非表示/違反報告)
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