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そういえば、とシャザさんが思い出したように続ける。
「最近大マハマトラのセノさんをアアル村で見かけることが多くなったんだよね」
「…そうなの?」
「うん。前までもアアル村を色んな形で支援はしてくれてたけど、直接状況を見に来ることなんてなかったから…」
何か理由があるのかな?と首を傾げるシャザさんだが、アアル村に来てからまだ数週間で、アアル村にて状況確認を行うセノさんしか見ていない私からすれば何も言えることはないのだ。
「…待って」
ふと、前進する私をシャザさんが制した。視線の先にいるのは、奇妙な覆面を被った集団。前に遭遇した人達とも違うが、あれは羊の顔のお面だろうか……。
「Aは下がってて」
「え、でも…」
「ここは私が行くから」
「……私も、私も戦うよ」
それほど腕に自信はないが、つい最近セノさんの戦いぶり──ほぼ一瞬ではあったが確かにその目で捉えていた──を見ていたから、それをイメージすれば問題ないはずだ。
不安そうな顔をするシャザさんを安心させるべく一歩二歩と踏み出すと。
「──危ないから下がっていろ」
そう耳元で言葉が紡がれた次の瞬間。
「………え…」
先程まで平然と歩いていた目の前の集団がその場に倒れ込んだのだ。この現象には覚えがある、そう認めると目の前に青年が舞い降りて。
「怪我はないか?」
傷一つ付いてない顔で私の顔を伺うのだ。隣にいるシャザさんは「セノさん…!?」と開いた口が塞がらないようで、私もこんな深夜にセノさんがアアル村にいるとは思いもしなかった。
「はい、大丈夫です。ありがとうございました」
「これくらい問題ない。最近は物騒な話も多いから、今日のところは家に戻ってくれ」
「お気持ちは有難いのですが…パトロールはしないと……」
「俺がする。家まで送るよ」
そうして先にシャザさんを家まで送り届け、続いて私の暮らす家へと向かう。
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咲原(プロフ) - まるさん» 読んでくださり光栄です。。!ありがとうございます(˶' ᵕ ' ˶)! (8月13日 12時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 最高でした!!お疲れ様です! (8月13日 6時) (レス) @page48 id: 626fa9ab7b (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - あいうさん» ご覧頂きありがとうございます!元ゲームの雰囲気を壊さずに慎重に書いていましたのでそう言っていただき光栄です……!自分らしく執筆を頑張りますね! (2023年2月21日 16時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
あいう - セノの小説あまり無かったのでめっちゃ嬉しいです!話しも自然ですごいです。めっちゃ好きです。自分のペースで更新頑張って下さい!応援してます!! (2023年2月20日 1時) (レス) id: 914ffe60d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲原 | 作成日時:2023年1月19日 12時