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…きょもとの出会いを振り替えると
持っていかれた心が、また容赦なく音を出した。
これは、もしかしなくても重症かもしれない。
しばらく歩くと
同じ制服の人が見える。
その中に、北斗を見つけた。
駆け寄って声をかけると
面倒くさそうに小さく返事が返ってきた。
…清々しいほど陰キャだな。
合格発表の日。
無事に入学への切符を手にした俺は
そのまま校門であいつを待った。
あいつって？もちろんあいつだ。
名前も知らないあいつは
意外と早く見つかって
そこで初めて 松村北斗 の名前を知った。
絡みに絡んで何とか距離を縮めた俺は
数少ないであろうあいつの 友人 になったわけだけど、、
「いよいよ高校生か、」
「三十路みたいなコメントすんなよ」
「30って言えよ古臭ぇな」
ちょっと前まで中学生だった奴が、15年後で例えて来るんだから、きっとコイツは只者じゃない。
それにしたって三十路はひどい。
「樹 髪染めたんだ」
「そうそう！似合うだろ？」
「…ちゃらい」
「っ、！」
結構バッサリ切られた俺のイメチェン。
別に北斗の為にしてないからいいですけど。
「あ、ちょっと待って北斗、靴に石はいった」
「へぇ 痛いじゃん」
「いや そうでもないけど＿＿って！」
「先行くわー」
立ち止まる俺と 突き進む北斗。
やっぱコイツ、只者じゃねぇ。
慌てて追いつくと、改めて、やっぱり清々しいほどの 黒 が目に入る。
「北斗お前、学ラン着るともっと黒いな」
「まぁ黒いからね」
「うーん、黒い っていうか… 暗い？」
「お前まじ蹴りあげるぞ」
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作者名：ひじり
| 作成日時：2020年11月1日 22時
