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そんなこんなで、2ヶ月経った今に至る。…わけだけども、。
気になるよね。そりゃ。
あれからどうなったか。でしょ？
…仕方ない。
まだ玄関を開けた所から物語進んでないけど、歩きながら 2ヶ月前に戻しますか。
うん。やっぱりこの話、長くなる気がする。
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2ヶ月前。音楽準備室。
「……は？」
、いや。そうなるよね。
意味わかんないよね。
普通に誰？って感じだし、中学生のガキが突然何を言い出すんだって感じだよな。
猛烈な後悔の最中、彼は俺に聞いてきた。
「…名前は？」
「っ、田中 樹、です！」
「じゅり、」
「は、はい！」
不思議な空気を纏っているのか、埃っぽいこの場所で、この人だけが浮いている。
「あと、」
「はいっ！」
「…声でかい。バレる」
「、…はい」
奇跡的に会話のラリーが続いてる事に感謝してる余裕もないくらい、心臓がうるさい。
ゆっくりこっちに歩いてくる。
あまり威圧感は感じられなかった。
「俺は 京本大我。
…樹は変な人だね。」
なんて ほんの少しの口角があがる。
「受験生でしょ？こんな所にいて大丈夫？」
「…お互い様です」
こんな日に在校生が学校にいるほうが大丈夫じゃないと思うけど、そんなのこれっぽっちも気にしてない様子のこの人は、『やっぱ変な子』と言った。
「ごめんね 樹」
「え？」
「俺は辞めた方がいいよ」
その表情は 本当に触れたら透けてしまいそうだった。それくらい 儚かった。
自信のなさそうなその表情は、人間離れした彼を 年相応の少年に見せる。
…目が合うと、もう、ダメだった。
「……やっぱ、好きです。」
「…樹は 男が好きなの？」
その質問に 今までを振り返ってみたけれど、俺自身 男 に惹かれたことはない。
「男、というよりは」
「うん」
だから、嘘はつかなかった。
「あなたが好きです。」
彼の、京本大我の 動きが止まる。
フラフラと漂う小さな埃も
ピタリと動きをやめたように感じた。
しばらくしてゆっくりと、綺麗な線のような身体が動き出す。
「きょも、」
「え？」
「呼び方。きょも でいいから。」
「…、はいっ！」
「だからうるさいって」
「はい！すみません！」
「、ふっ 馬鹿じゃないの」
…2ヶ月前。
『樹、よろしくね』と微笑む きょも に、
俺は心を持っていかれた。
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作者名：ひじり
| 作成日時：2020年11月1日 22時
