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窓を開けると、春の風。

教室の中は俺にはどうも息苦しくて。

「…つかれるな。」

そう呟いた俺の言葉は、風に乗って運ばれて、そっと広がって見えなくなった。

声にしたって聞こえなければ意味を成さない。

俺は、そういうものこそ本音って言うんだと思う。

すぐにクラスメイトに名前を呼ばれる。

振り返る時にはもう疲れている俺はそこにいなくて。

「どうした？」

「今日のテスト延期だって聞いた！？」

「ほんとに？ラッキーじゃん」

「それな！あっぶねー」

…今日の準備もできてないやつが、延期になったところで勉強をするのか。

分からないけど、合わせて笑う。

勉強をした昨日の自分がやけに馬鹿馬鹿しく思えた。

先延ばしになった予定を、頭の中に入れ直して自分の席に向かう。

…一人になりたい。

でも、一人は怖い。

人が好きなのに、つかれる俺は
いつだってどこか矛盾しているんだ。

器用に生きてきたはずだった。

それがいつしか、重くて重くてたまらない。

「……つかれた、」

風に乗って運ばれないこの言葉は
当たり前だけど前の席の奴に届いてしまって、

「ん？どうしたジェシー？」

疲れてるなら辞めればいいのに。

「、ううん、なんでも。」

とにかく俺はいつも

何かを堪えて生きていた。

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