ただ君を愛してる _Taiga.kyomoto_ (ページ8)

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ある日。

見慣れない番号から電話が来た。

聞き馴染みのある声が聞こえてきた。

ジ｢A…？｣

｢ジェシー？｣

驚いた。まさか今になってジェシーの声を聞く日が来るなんて。

浮かれてしまいそうな私の心を抑え込むように、重苦しい声でジェシーが話す。

ジ｢あのね話さなきゃいけない事があるんだ｣

ジ｢…大我＿＿＿｣

私には、そこから先の記憶がない。

ただ、ジェシーのその言葉が

私の中で延々と再生された。

ジ｢大我 …パニック障害で

さっき自殺未遂で病院に運ばれた｣

気がつけば私はどことも知らない病院の前に立ち尽くしていた。

優｢久しぶり｣

後ろから懐かしい声が聞こえてきた。
慌てて駆けつけた様子の髙地くんは、私に驚いた顔をしつつも声をかけてくれた。

そのまま誘導されて中へはいると
電話をくれたジェシーと樹がいた。

2人は血だらけだった。

ジ｢A ごめんいきなり電話なんかして｣

樹｢久しぶり
こんな再会で悪いな｣

｢いやそれより…｣

2人の顔が分かりやすく重い。
嫌な予感がした。

…聞きたくないと心が叫んだ。

ジ｢…ロケ終わって帰りの車から大我が先に降りたんだ

でもしばらくして忘れ物してたから電話したけど出なくて。
だから大我の家まで戻ったら…

大我が自分のお腹切って倒れてた｣

樹｢ジェシーが血だらけの大我抱いて部屋から出てきてさ

急いで救急車呼んだんだ｣

指先が冷える。とはまさにこのことで。
大我の姿を見たわけでもないのに震えが止まらなくなって。

『お前の分も支えられなくてごめん』

そう言って頭を下げる樹の肩も震えてて、
私はその場で何を言ってあげれば良いのか分からなかった。