ただ君を愛してる _Taiga.kyomoto_ (ページ6)

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でもさ、どれだけ愛しても

結ばれる未来が無いことは容易に想像ができるでしょ。

未来のことなんて分からないじゃん。
って思うかもしれないけど

分かるの。

この人から伝わってくるんだから。

『京本大我として生きる』って。

誰のものでもないんだって。

時間が経つ度にその覚悟は形をもって伝わってきた。

この人の覚悟なんて私なんかじゃ覆せない。

『ごめん』と言う声に

日に日に悔しさや苦しみが乗っかっているのは
大我自身も現実を見始めているということだ。

この思いが届くと思ったことは一度だってないけれど、
それでも終わりが近づいているのを肌で感じるのは辛かった。

分かっていた。

多分。出会ってからずっと。

だから、私は貴方を目に焼き付けた。

興味もないカメラを持って

すぐに現像したくてフィルムカメラも買って

『最近ハマったの』なんて
練習するフリをして貴方を撮った。

大｢お前それ売ったりすんなよ｣

｢え大我ってそんな高く売れるの？｣

大｢失礼だな結構需要あるんだから｣

｢ははっ本人が言うと面白いね｣

大｢ねぇ笑いながら撮ったらブレちゃうでしょ
ちゃんと撮れよ｣

｢すっごいいいの撮れたら売ろうかな｣

大｢誰よりも先に俺が買い占める｣

｢なんでよ｣

大｢映ってるのが俺でもなんでも
お前が撮ったものなら全部俺がもらうの｣

本当に本当に貴方を愛してたの。

愛してしまったの。

女の人みたいに綺麗なくせして
考え方は昭和の人みたいに頑固で。

無理して体調壊しても意地張って。

それなのに、私のことはちゃんと見てる。

好きが募った。

これを愛ってものだと思った。

ただ貴方を愛してた。

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