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飛ばされてしまわぬよう、
私は樹の手を握った。
弱々しい樹の目は大きく開かれて
私を捉えた。
｢樹はチャラい｣
樹｢へ？｣
｢遊ぶの大好きだし
女の友だちも大勢いる｣
世間知らずで、友だちも多くは無かった優吾とは似ても似つかない。
｢浮気だってしそうだし｣
樹｢ちょ、それはしないって｣
｢会いたい時に会えなくて
いじけても 面倒くさがられそう｣
樹｢Aなら そんな事しないよ｣
｢来年社会人になっちゃうし
忙しくて一緒に桜見れないって言われそうだし｣
樹｢絶対行くから｣
私は、かばんに手を伸ばす。
ずっと入れていた、あの手紙。
『優吾へ』と書かれた文字は
間違いなく私の筆跡。
樹は手紙を見つめて、
やはり悲しそうに顔を歪めた。
『やっぱ 俺じゃだめか』と聞かれた。
多分、彼が私に聞くのはこれが最後。
樹はそういう人だ。
紙を出すと、たくさんの紙。
もうなにを書いたか、ほとんど覚えていないけど。
私と優吾の、思い出。
それを手に持って、静止する。
……風が、吹いた。
花びらを運んでいく強い風が、
手紙にも吹き抜ける。
手から力を離すと、飛んでいく。
結構飛んでいくかと思われた手紙は、
上に舞い上がって、近くの川に落ちた。
『ばいばい』
と、心の中でそう言って
優吾の顔をかき消した。
振り返ると、びっくりしている樹。
イケメンなのに
その顔は勿体ない。
向かい合ってその手を取り
｢樹、｣
と笑いかける。
樹は、くしゃっと顔を崩した笑顔で
私をまた抱きしめた。
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美久(プロフ) - こんばんは、以前読んだことがあったのですがふとまた読みたいと思い、検索して見つけました！いつも慎太郎くんのところで大号泣してしまいます、、他のストーリーも素敵で何度も読み返したくなる作品です！素敵な作品に出会えて嬉しいです^^ありがとうございます！ (2021年8月5日 1時) (
レス) id: b2030bb904 (このIDを非表示/違反報告)
ひじり(プロフ) - junechan0810082さん» ありがとうございます！！慎太郎くんのだけは最初の方から決めてあったので、やっと書ききれて良かったです！！1番切ないお話になってしまいましたが、1番暖かいお話にもなっていると思います。こちらこそ見つけていただきましてありがとうございましたm(_ _)m泣 (2020年7月21日 22時) (レス) id: a9d70ccd18 (このIDを非表示/違反報告)
junechan0810082(プロフ) - 慎太郎くんのがすごく泣けました。他のメンバーは別れたとかなのに慎太郎くんのはすごく切なくて思わず泣いてしまいました。。素敵な作品に出会えて良かったです。ありがとうございます!! (2020年7月5日 22時) (レス) id: 5473afbb93 (このIDを非表示/違反報告)
ひじり(プロフ) - ら む ね . # き ょ もさん» ありがとうございます！どタイプですか！嬉しいです！泣 切ないし上手くいかないしで書きながら苦しかったです笑 更新ゆっくりになってしまってすみません！！m(_ _)m汗 できるだけ早く6人書ききりますので、また読みに来てくれたら嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年4月23日 23時) (レス) id: a9d70ccd18 (このIDを非表示/違反報告)
ひじり(プロフ) - yasunana0611さん» ありがとうございます！！心に来ますか！！？！響いてくれたのなら嬉しいです！泣 全部が切ないお話なので、スカッとしない結末だとは思いますが、呼んでくれてありがとうございます！更新遅くて申し訳ないですが、またお時間ある時にでも見に来てやってください！！ (2020年4月23日 23時) (レス) id: a9d70ccd18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひじり
| 作成日時：2020年3月8日 23時
