-Hasta la vista.6- <Yuto×Ryosuke>

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｢直央。｣


直『なんだよ』





｢俺、たくさん謝りたい事がある。｣


直『え？』









これが最後。ホントにホントに最後。
……2人とも、分かってた。

だから直央は走ってきてくれたし、俺はいつまででも待ってた。

"もう一度"がないことは、もう知ってた。









｢大学のミスターコン、直央に投票したって言ったけど、ホントはしなかった｣


直『ミスターコン？』




｢あとね、直央がいない間にエアコンの設定温度下げた｣


直『慧？ちょっと＿＿』




｢あとはね、直央に太ってもらおうと思って直央のお茶碗に山盛りご飯盛ったり、、
あ、直央の受けてる講義が気になってこっそり入って後ろから見てたこともあるんだ。
わざとおっきい声で廊下から直央を呼んだり
皆見てるけど飲みかけのペプシ貰ったり…、｣








最後なんだから、これくらい言わせてね。

あの時の俺は、直央の1番でいたくて仕方なかったんだ。







｢もう時効でしょ？許してね｣



直『…それ、謝ることでもなんでもないじゃん』





｢でも 束縛体質だったなって思ってさ、｣




直『……俺は束縛なんて全く苦じゃなかったよ

慧のためにやる事なら 全部が愛しかった』




｢…俺も、楽しかった｣









全部を過去形で話すのは、お互いがこれ以上進まないため。

でもなんでだろう。昔の事だと頭では理解していても、それが今無いのだと考えると心が拒否する。


涙しか、出てこない。









直『…また泣いてる？』


｢ばかっ、泣いてねぇよ｣





直『……』


｢、直央？｣





直『……、』







急に直央の声が聞こえなくなった。
不思議に思って耳からスマホを離したその時









直｢……ほら、やっぱり泣いてる｣


｢っ、！｣








俺の冷え切った体を、

直央が包んだ。

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