-Hasta la vista.6- <Yuto×Ryosuke>

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その後すぐに伊野尾ちゃんは食欲がないって帰って行った。





｢帰っちゃったね、｣

裕｢うん 伊野ちゃんも 今は1人になりたいでしょ
……いや …2人になりたい、のかな｣


｢……｣







俺たちは、直央さんを知ってる。
伊野尾ちゃんと関わっていく上では、直央さんっていう存在は通らなきゃダメなくらいに大きな人なんだ。


俺も裕翔も、知念も圭人も、ほかのメンバーだって全員、直央さんと仲良くて。

仲良く並んで帰っていく2人の背中を、俺たちはずっと見ていたんだ。









裕｢……直央さん、｣


｢髪…短くなってたね｣


裕｢うん… またカッコよくなってた｣


｢うん｣


裕｢いつぶりだろ 会ったの｣


｢分かんない
けど 結構前だよ｣







直央さんの事を信頼してて、この2人みたいになりたいなんて思った事は1度や2度じゃない。

『理想のカップル像は？』なんていう質問に『伊野尾ちゃんと直央さんです』とか言いたくて仕方がなかったのに。









｢……はなればなれ、か…。｣


裕｢…うん……

あの2人は 離れちゃダメだったのに｣






｢伊野尾ちゃん… また直央さんの事で＿＿｣


裕｢＿＿やま、
それは考えないようにしよ
もう伊野ちゃんだって大人だし あんな真似はしないよ｣


｢……うん｣









ねぇ 直央さん。

今日は直央さんの誕生日ですね。




知ってますか。
あなたと離れてから伊野尾ちゃんは

毎年この日になると、いつもは付けない指輪をするんです。
いつもはチェーンに付けてるやつを、右手の薬指にしてるんです。



いつもはメイクさんにセットしてもらう髪の毛も、ちゃんと自分でやってから仕事に来るんです。







知ってますか。

あなたと離れると決めた日は、
必ずスケジュールをびっしり埋めてるんです。
一コマも空きがないように。





あなたを思い出した時は、
あなたに貰った本を 大切に見つめています。









ねぇ 直央さん。

知っていますか。




……伊野尾ちゃんは、

まだ、あなたの事が大好きです。

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