・ ページ7
・
吉「山田さん」
せんせが休憩の時間になったから、と、俺の部屋に来た。
休憩時間くらい患者といなくてもいいのに。
吉「裕翔さんに、まだ何も言ってないんですか?」
「……うん。」
吉「言ってあげなきゃ可哀想だと思います。
裕翔さんは山田さんの為になってくれますよきっと」
……違う。
先生はなんにも分かってない。
「…もうすぐ ちゃんと伝えるよ」
吉「はい。手術は 明後日ですから、それまでには伝えておいた方がいいと思いますよ」
「うん」
うん、なんて そんな簡単に言える事じゃないっての。
せんせが去ってからしばらくして、ガラッとドアがまた開いた。
侑「やっほ 涼介」
「…おぅ」
侑「久しぶりだね」
このタイミングで、知念がお見舞いに来てくれた。
ゆっくり近くの椅子に腰を下ろした知念。
そして、俺の目を見て笑った。
侑「ふふっ なんでそんなに弱ってるの?」
「別に、弱ってなんか」
侑「ゆうてぃにも 言ってないんじゃない?
まぁ僕に言わない時点でありえないけど、」
知念は、見透かしたように言った。
侑「……涼介。辛いならゆうてぃにくらい全部話しなよ。今の涼介は、何も言わないし聞かないし、抜け殻みたいだよ。
現実を受け止めきれないなら、ゆうてぃと一緒に悩みなよ。
…2人で越えるって 決めてたんじゃないの、、?」
・
……知念の言っていることは、正論だと思った。
確かに、今のこの状況をそのまま裕翔に伝えればいいだけだ。
ありのまま、裕翔に言えば良いだけだ。
侑「涼介が思ったよりも心配だよ」
「ははっ 大丈夫だよ
心配かけてごめんな」
侑「……そ、
じゃあ僕は帰るから」
「おう じゃあな」
ガラッと去っていった知念。
いつもは響く知念の言葉も、なぜだかピンと来なかったんだ。
俺は、窓の外を見つめて 太陽の沈む過程を
" 無 "のまま ただ眺めていた。
296人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひじり(プロフ) - ももさん» ももさん、ありがとうございます泣 私も書いていてしんどいです笑 ゆとやまが大好きで書いているのになんでこんなに悲しくなってしまうんだと思う時もありましたが、ここまで来たらしっかり書ききりたいと思います。ぜひ最後までお付き合いよろしくお願いします!!! (2019年9月23日 22時) (レス) id: fcc82cf22f (このIDを非表示/違反報告)
ひじり(プロフ) - ぐるとさん» ここまで読んでいただけてあげてありがたいです。泣 設定上なかなかキツい結末にはなってしまうと思いますが、ぐるとさんが無駄な登場人物がいないと言って下さったのが私自身すごく嬉しかったです。書いている最中、とても励みになりました。ありがとうございました! (2019年9月23日 22時) (レス) id: fcc82cf22f (このIDを非表示/違反報告)
ひじり(プロフ) - 結城瑠依さん» はじめまして!ありがとうございます!泣 そうなんです!実は悲しさや切なさの中に色んな人の優しさを織り交ぜようと思いながら書いてます!!気づいてくれて嬉しいです!!更新のペースも 続編からまた上げていきたいと思っているので、またよろしくお願いします!! (2019年9月23日 22時) (レス) id: fcc82cf22f (このIDを非表示/違反報告)
ひじり(プロフ) - 有谷 彩涼さん» 涙出るくらいゆとやまって良いですよね!分かります…。笑 このお話の中では少し悲しい設定ですけど、もしもまた違うゆとやまを作るとしたら、今度はものすごく可愛いお話も書きたいなーと思っております!こんな作品ですが、好きでいてくれてありがとうございます!! (2019年9月23日 22時) (レス) id: fcc82cf22f (このIDを非表示/違反報告)
ひじり(プロフ) - JUMPLOVEさん» 本当ですよね!!笑 この間(結構前)のMステでのゆとやまに私はやられてしまいました……!!泣 やっぱりこの2人は尊いですよね!泣 この作品ももう少しで終わってしまうので、もし良かったら最後まで読んであげてください。いつもありがとうございます!!! (2019年9月23日 22時) (レス) id: fcc82cf22f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひじり | 作成日時:2019年3月13日 22時