-Hasta la vista.7- <Yuto×Ryosuke>

離れたくない ページ34

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……夢を見た。

裕翔が、俺を見て泣いてる夢。
俺は、それを見ているだけの夢。




泣くなよ。って、そう言いたいのに、

それは声にはならなくて。





裕翔と呼びたくても動かない口。






あぁ、もし死んだらこうなるんだろうな。

死んだら、裕翔のことは忘れてしまうんだろうか。

今までの記憶って、どこに行くんだろ。








俺と裕翔しか知らない時間は、
どうなってしまうんだろう。

裕翔が思い出す俺は、ちゃんと笑えてるのかな。









最後まで、裕翔に迷惑かけて

電話で一方的に別れを告げて

それでも俺は女々しく裕翔を好きでいて…







情けないにも程があるよな、。









せめて、裕翔の映画くらいは観たかった。

仕事にも戻りたかった。


知念や圭人や、メンバー全員に、ちゃんとお別れが言いたかった。









そして、



裕翔に『ごめんね』って
言いたかった。







裕翔を思い出すと
胸の奥のここら辺がズシンと重くなって、

鼻の奥がツンとして

悲しそうに『大丈夫？』って
何度も何度も俺の事を気遣ってくれた裕翔が

やっぱり好きで。



綺麗な顔と、綺麗な瞳に
また俺を写してほしくて。









……裕翔。






ごめん、ごめん裕翔。









『別れて』

なんて、言ってさ






裕翔の言葉を、聞かないふりしてさ








ホントはつなぎ止めて欲しかったし

裕翔は必死で止めてくれたのにさ









……本当に、

弱い俺で ごめんなさい…。









裕翔。

俺、1人で頑張ってみたんだよ。


でも、それでも、裕翔が離れてくれないんだ。









いや、俺が

裕翔と離れたくないんだ。







……まだ、死にたくない。

裕翔に泣いてほしくない。






…、離れたくないよ。









病院で倒れた日の夜。


夢を見て、やっとの事で目を開けると









…裕翔が、泣きそうな顔で俺を見てた。

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